立憲民主党は夏の参議院選挙の公約として、食料品の消費税の税率を原則1年間に限って0%に引き下げる案を盛り込むことを決めた。他党が減税を訴えていることや党内の減税派に配慮した形である。ただ財源など具体的な制度設計はこれからで、しかも期間終了後の税率や戻し方も曖昧で、いかにも取って付けた選挙対策であることを示している。
代表の野田佳彦は首相の時、消費税率を10%に上げることを決めている(当時は5%)。東日本大震災後で経済が大きく落ち込んでいる中での増税方針は、経済をさらに冷え込ませる愚策であった。
野田は当時のことを振り返って、「震災で税収が落ち込んだので増税した」と経済音痴(無知)ぶりを遺憾なく発揮する発言をしている。野田は財務省の振り付け通りにしか動けないほどの経済音痴であるため、財務省からは「使い勝手よしひこくん」と呼ばれている
さらに野田(政権)は異常な円高を放置し、国内産業(特に製造業)を壊滅的な状況に追い込んだ首相である。あのトヨタですら円高を吸収できず赤字になったほどだ。その結果、製造業を中心に多くの労働者が「リストラ」された。
この「リストラ」という言葉(表現)も、日本独自の意味を持つようになってしまった。本来はどちらかと言うと前向き(事業を再構築する)な言葉なのだが、「人減らし」というネガティブな用語として用いられるようになった。もちろん事業を再構築する中で人員削減を行う場合もあるが、それだけが注目される使い方になった。
野田だけの責任ではないが、民主党政権の経済音痴と財務省の省益しか考えない増税ありきの愚策がもらたした結果だ。恐らく野田は今回も財務省から、いろいろレクチャーを受けていると思われる。財務省は期間限定での減税を許容する代わりに、戻すときは食料品も10%に増税しろと言っているはずだ(併せて所得税の増税も)。
消費税は社会保障費を安定的にまかなう税の位置づけにになっている。不足分を補う手立ては必要だ。一方で現在の経済状況(物価高騰に賃上げが追いつかない)は国民の生活を危うくしている。
「税収の確保」と「国民生活の安定」をどのようにバランスを取り、政策(特に税負担)として落とし込んで行くかが問われている。減税を言っている政党がしっかり政策を詰めているなら構わないが、立民のように「他党に遅れるな」的な発想で言っているなら、結局はそのツケは国民に返ってくる。
野田は財務省からの「使い勝手よしひこくん」から脱却・返上できるかな。