政府・与党(自民・公明)は「年収103万円の壁」では国民民主党、「高校無償化と社会保険料の負担軽減策」では日本維新の会と協議を行い、それぞれ「協議打ち切り」と「合意」との結論に達している。これらの施策やその結論の善し悪しは別として、先の衆議院選で少数与党となったことで野党との協議(妥協も)を強いられている。
ところが、そこに野党第一党である立憲民主党はまったく登場しない。衆議院選中も「裏金がぁ~!」しか言うこともなく、勝った(50議席増)とは言え比例票はまったく増えず(前回比たったの+7万票)。つまりは自公の自滅のおこぼれに与っただけだと言える。
そんな立民が今何を一生懸命やっているかと言えば、「選択的夫婦別姓」と「紙の保険証の存続」。
「紙の保険証の存続」に関しては既に法案を提出しているし、「選択的夫婦別姓」に関しても積極的に取り組んでいる。2月25日には法務部門会議と選択的夫婦別姓実現本部との、合同ヒアリングを開催している。ちなみに、選択的夫婦別姓実現本部の本部長は辻元清美だそうだ。
ヒアリングにはその筋のお仲間が登場し、「夫婦同姓」は氏名権(憲法13条)・個人の尊厳(憲法24条2項)の侵害であること、婚姻の自由(憲法24条1項)の侵害であること、平等権(憲法14条1項・24条2項)の侵害であることなどを訴えている。
立民がこれらの問題に取り組むことを否定はしないが、「今やるべきこと」なのだろうか? 衆議院選で「手取りアップ」を訴えた国民民主党が躍進したのはなぜか。各報道機関が行っている世論調査で、政府に求めることの1位が「物価対策」なのはなぜか。
同様に、内閣府が毎年行っている「社会意識に関する世論調査」(昨年11月実施)で、「現在の日本の状況で悪い方向に向かっていると思う分野」は「物価」と答えた人が70.8%と最多だったことも考えれば、野党第一党が「今やるべきこと」は何か? は明らかだろう。決して「選択的夫婦別姓」と「紙の保険証の存続」ではない。
国民が「今」求めている政策(物価・経済対策)で政府・与党との協議にも加われない野党第一党。蚊帳の外で泡沫左翼政党と同じ主張を繰り広げている野党第一党。明らかに優先順位が違うと言える。
多くの国民が望むことよりも、お仲間が望んでいることが優先されているようにしか見えない。しかも、そこにイデオロギーが見え隠れしていることが気持ち悪さを増幅している。そして、これが立民の支持が広がらない大きな原因である。

NHKの2月の世論調査結果(クリックしてもらえれば大きくなります)。立民の支持率は9.2%。ひと頃と比較するとましかもしれない。しかし低年齢層(18歳~40代)、つまりは「現役世代」の支持率の低さ(たったの2~3%)が物語っているのは、物価・経済対策をおざなりにしているからではないのか?
逆に60代以上が高い支持率を示しているのは、「今やっている」政策に見え隠れするイデオロギーのためだと考えられる。なんてことはない「反政府のオレって格好良い」と懐古する「団塊の世代」の一部や「全共闘世代」が「頑張れ!」って言っているだけのこと。
このような政党に未来がないのは明らかだ。
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