共産党が党の専従職員に対する「労務管理」を適切に行っていない事案が判明した。共産党福岡県委員会は労働基準法で定められた就業規則を労働基準監督署に提出しておらず、福岡中央労働基準監督署から提出を求められたことが発端だ。

共産党は就業規則を提出したが、その内容は有給休暇取得の条件が法令基準を満たしていなかった。また、これ以外にも労働安全衛生法における客観的な記録による労働時間の把握も行っていないことが判明した。

当然のことだが、本件に関しては福岡中央労基署から党側に是正指導が入っている。上記の内容はあくまで福岡県委員会のケースだが、全国どこでも同様ではないかと推認される。

共産党本部(共産党中央委員会)は「党機関専従者は党綱領に基づき、国民の切実な要求実現と社会進歩の促進のために自主的自発的に活動している。党機関専従者も労働法制を遵守することは必要と考えている」とコメントしている。

左翼特有のこねくり回した言い方だが、専従職員は「自主的自発的」に活動しているので、党との雇用関係(労使関係)に基づく普通の労働者ではないと言うことらしい(ただ、労働法制を遵守することは必要と考えていると言ってはいる)。

田村智子委員長の言によれば「結社の自由の下で、自主的・自発的な意思のもとで活動していることが一番の根本にある」。つまりは「結社の自由」により集まった共産主義者が自主的・自発的に「活動」していると言うことらしい。

なるほど、これなら「労働者」ではないな。言い換えれば「政党の常任活動家」。オレ的に言わせれば「職業革命家」と言ったところかな。

しかし共産党は党員や元専従職員と、働き方や労働条件などを巡る争いを多く抱えている現状がある。田村委員長や党本部が「自主的自発的に活動している」と言うのは、「従業員」「労働者」と認めてしまうと未払い賃金の支払い義務が発生する恐れがあるためだろう。

そんな詭弁を弄するところが共産党らしい。共産党が「労働者の権利がぁ~!」とか言っている裏で、「専従職員は活動家だ」とするのは無理があるだろう。いやしくも国会に議席を持つ公党なのだから、現代社会における一般的な法令(労働三法など)を遵守するのは当たり前だ。

共産党内では労働法制も適用してもらえない専従職員らは、前議長の豪邸をどう見ているのだろう?