兵庫県知事選の結果を受け、オールドメディアのSNS攻撃が見苦しい。新聞については既に書いたが、実はTV業界の方がもっと酷い状況だ。
(「『しんぶん村』が危機感からSNS攻撃を始めた」参照)

日ごろTVの報道番組やワイドショーはほとんど見ないのであまり実感はなかったのだが、SNS(特にYouTube)を見る限りTV局が「自己保身」のための言い訳とSNS批判を織り交ぜた見苦しい番組を放送していることを知った。特に関西の方で、それが顕著に感じる。

北関東の外れに住んでいても関西系のTV局(ABCやMBS、読売TVなど)の情報が、ほぼオンタイムで入手できるのだから便利な世の中になったものだ。逆に言うと、こういう情報の「伝播力」が兵庫県知事選の17日間の流れになったのだけど。

ABC(朝日放送)とMBS(毎日放送)の情報系番組を見た。ABCは「おかえり」、MBSは番組名不明(アナが自信満々)。

見た限りでは、ほぼ言い訳と逆ギレ。「自分たちは正しい(公平だ)。放送法や公選法の規定の中で制限もある。それに対して何も制限のないSNSはウソ(真偽不明)ばかり。煽って再生回数稼ぎも多い。TVを信じない有権者はどうかしている」。

もちろん、ここまではっきりとは言ってないが、そう言いたいのが透けて見える(特にMBSのアナウンサー)。そこには反省も何もない。反省なくして進歩なし。もうTV業界は終わりと自ら言っているだけのこと。

まあ、関東も似たようなものだけど。特に酷いのが日テレ。どうやら読売新聞と連動して、SNS批判を繰り広げている印象。もちろんテレ朝とTBSもそれなりに酷い。特にワイドショーとカテゴライズされる番組は、どれも相当酷い。

なぜTVだけでなく新聞も含めたオールドメディアが見限られたのか? それは「事実は何?」という有権者の疑問に答えられなかったからだ。事実を求めてSNSを見たら、より事実と思える情報が入手できた。それを自分で比較し判断した。ただそれだけのこと。

「事実」ではなく「より事実と信じられる」が判断材料になったことは否めない。しかし、実はこれがTV業界の問題点なのだ。TVは「疑惑」を自ら裏取りもしないで垂れ流した。それがあたかも「事実」かのように。しかしネットには別の「事実」があった。有権者はどちらが「より事実と信じられる」かを判断した。

TVは「疑惑」なんて調査のしようがないと言うかもしれないが、某県会議員の発言(姫路ゆかたまつりに関するもの)などは調査すればすぐにデマだと分かる内容だった。現に当事者からすぐさま否定されており、笑えるレベルのものだ。

そういうレベルの「疑惑」まで、何一つ検証すらせず報道していたのがTVだ。それが「自分たちは事実を公平に放送している」とか言うから信用されないのだ。