兵庫県知事選は11月17日に投開票が行われ、前知事の斎藤元彦氏が再選を果たした。「疑惑」告発文書問題が端緒となって批判を受け、県議会で全会一致の不信任決議を受け失職していた。

斎藤元彦 兵庫県知事
遠い北関東からつらつら眺めていたが、個人的には斎藤氏の勝因は3つあった思う。
・「真実の告発者」が現れた
・極左活動家が斎藤氏の選挙妨害に出てきた
・22人の有志市長と相生市長の「机ドン」

なんと言っても大きいのは「真実の告発者」が現れたことだろう。オールドメディアの報じる「疑惑」と称することが、「公益通報者」(被害者とされていた)の自己保身の側面が大きかったことが暴露された。

これは主にSNS(YouTubeやX)で行われたため、新聞やTVなどのオールドメディアは「SNSを駆使して斎藤氏が兵庫県知事に返り咲き」(テレ朝)などと報じたが、まったくの的外れな分析だ。

オールドメディアが報じない「真実」を広めたのがSNSだったということ。SNSを巧く使ったという言い方が100%間違いではないが、それでは正しい分析にはならない。「真実」は何なのか? がオールドメディアにはなく、SNSにはあったということ。

しかも、オールドメディアはそれを選挙戦中一切報道しなかった。意図的に報道しなかったのは明らかだ。選挙翌日(18日)に東国原英夫が「TVには放送法の規定があるから(SNSにはない)」とか、しょうもない言い訳をしていたが。言うに事欠いて放送法? 笑わせるな! (東国原以外にも放送法や公選法を言い訳に使った自称「識者」は多い)。

明らかな間違いだ。繰り返すが「真実」を報道しなかったからだ。「真実」を報道しないオールドメディアに存在価値はない。「SNSが真実かどうか分からないだろう」との意見も当然あるだろう。なら、なぜオールドメディアは「真実か分からない『疑惑』は報道するのか?」を考えれば一目瞭然だ。

2つ目は、選挙戦中盤に極左活動家が斎藤氏の選挙活動(主に街頭演説)の妨害を始めたこと。中盤になると斎藤氏の追い上げが報道され始めていたからだろう。相変わらずの「チンピラ」感丸出しの連中が跋扈する姿を見て、「普通の兵庫県民」は何を思っただろうか? 想像する通りだ。

これが対立候補(稲村氏)の「お仲間」と見なされたのは明らかだ(本当に「お仲間」かは知らないが)。東京都知事選の蓮舫や、先の衆院選での立民の極左候補の応援でも明らかだが、あの連中に応援される候補のことを「ん?」と考えるのは当然だろう。

風向き不利と見た稲村氏が「街頭演説の阻害や暴力的行為等(中略)大変心を痛めております」との声明を発した途端、極左連中は一斉に潮が引くように消え失せた。これは逆に「あ、やっぱり」と思わせただけだった。

最後は22人の有志市長。選挙戦の最終盤になって、斎藤氏の「まくり」が確実視されていたため危機感を覚えたのだろう。県内22人の市長がわざわざ会見まで開いて(出席は7人)「稲村氏を支持する」とか言い出した。

このころには斎藤氏が県政を改革して成果を挙げていたという「真実」が広まっていたので(もちろん、オールドメディアは一切報道していないが)、市長会見は「既得権益にすがる古い市長ども」との強い印象を与えた。

そして、極めつけは相生市長。「斎藤氏は知事の資格がない」と言いながら「机ドン」をしたものだから、斎藤氏に貼った「パワハラ知事」のレッテルが「既得権益にすがるパワハラ市長」となって自らに跳ね返ることになった。これで勝負ありだ。

斎藤氏の当選が確定した17日の夜、伊丹市長と宝塚市長の2人が斎藤氏の選挙事務所を訪れていたことが判明した。伊丹市長と宝塚市長は「22人の有志市長」に名を連ねていた。おやおや、変わり身の早いこと。さすが関西、見事な「オチ」だ。

*記事中の「真実」は個人の主観です。