憲法9条を守るための活動や発信の拠点として「9条の家」なるものがオープンしたという(10月30日)。立ち上げた市民有志らによると、9条の関連書籍を置いたカフェや動画配信スタジオを設け「お茶を飲みながら9条を語れる憩いの場」を目指すと言う。

名誉館長に元朝日新聞記者の伊藤千尋氏、顧問に慶応大名誉教授で法学者の小林節氏、理事長に平和運動家の金野奉晴氏が就任。各地で9条を守る活動をしてきた有志らが理事として加わっている(計26人)。

こういうところに「元朝日新聞」の肩書きが生かされるようだ(苦笑)。別に個人的に憲法9条大好きでも構わないが、こういう根っこを持った人が偏った記事を書いているのが朝日だと、見事に証明する形だ。

名誉館長は「憲法改正議論があり、9条は崖っぷちにある。武力に対して武力ではなく、ここから9条を広めることで世界を良くしていこう」と挨拶したが、こういう人らの根本的な勘違いが凝縮されている。

まず「憲法改正議論があり」と、議論するのが悪だとの認識で話している。つまりは議論自体を否定していること。自分らの考えが正しいと考えるのは良いけど、議論を否定してはいけない。自分らが変えたいことを、相手から「議論無用!」とされたどう思う?

それに、日本国内で「9条を守れ!」って叫んでも、武力で威嚇してくる相手には何の役にも立たない。訴えるべき相手は武力を保持している国に対してだろう。しかも国際法や国連決議を無視している国々へだ。

「武力には武力でなく」を根本的に解決しようとするなら、武力で威嚇してくる国に「やめろ!」と言うべきだろう。真っ先に憲法9条の精神を説かないといけない。ところがこういう人たちは、そういう国へは絶対に物を言わないんだよな。不思議なことだ。

「9条の家」は東京杉並に作ったようだけど、次はモスクワと北京、平壌に作る予定だよね? そうでないと根本的に何も解決しない。国内でのんびり語り合ってないで、世界に目を向けたらいかが?

この人たちが「自衛権」や「自衛力」を認めているのか知らないが、もし非武装を理想としているならなおさらだろう。自分は「けんかはしない」と宣言するのは自由だ。しかし相手が「ならオレもけんかはしない」と言ってくれる保証は一切ない。理不尽に殴りかかってくるヤツも世の中には一定数存在する。

「9条を広める」ことでこれらが解決するならそれでもいいが、現実世界はそれほど甘くない。それも頑張ると言うなら、やはりモスクワと北京と平壌に早く2号店・3号店・4号店を作ってくれ。応援するよ。

世界の宝
最後に少し古いイラストだけど。「世界の宝」憲法9条を守るために剣を持って武装する兵士。こういう矛盾を気にもしないイラストを使うのが、こういう人たち(のお仲間)。こういう矛盾は良い矛盾? なのかな(苦笑)。