10月27日投開票が行われた衆議院選で、自公の過半数割れが確実な情勢と各社が伝えている(21:00ころの情勢報道から)。
自民党には「裏金」問題が逆風となり、党全体に悪影響を与えたようだ。政治資金規正法上の「不記載」だが、裏金と報道されることで有権者からは実態以上の悪イメージとなったようだ。同じ不記載でも野党議員には影響はなし。メディアがまったく報道しないし、報道しても「単純ミスで問題なし」的だったから。
とは言え、事情はどうあれこれが民意。やる気があるなら捲土重来を期せば良い。朝日新聞のように自分に都合の悪い結果に対し「こんなの民意じゃない」なんて言ってはいけない。
ところで、安倍首相当時から「石破人気」という謎のフレーズが語られてきた。自民党内の国会議員らには人気がないが、一般国民からの人気は高いというもの。主な発信元はオールドメディア。特に朝日新聞は「論座(旧WEBRONZA)」に「今は石破内閣しかない」との論考を載せたくらいだ(2020年)。
(「朝日新聞の論座が『今は石破内閣しかない』だってさ」参照)
そんな石破が自民党総裁になり内閣を発足させれば、裏金問題があろうともそれなりの期待値を示さないとおかしい。しかし各メディアが行った世論調査では、軒並み低い支持率になっている。
今回の衆議院選の結果からも「自民党内の人気はいまいちだが、国民には人気がある」との言説に、何の根拠もなかったことは明らかだ。安倍首相当時、石破のやっていたことは「安倍首相の批判」であったが、それは「批判のための批判」でしかなかった。立民の中身のない議員連中と同じことをやっていただけ。
政権党の責任は政策を実現すること。そのためには妥協も必要だ。「三方一両損」という落語・講談もあるほどで、何でも100点満点というわけには行かない。すべてにおいて「人・物・金(かね)」がふんだんに使えるわけではないからだ。
それを野党と一緒になって「きれいごと」を言ってるだけの与党議員。それが石破だ。一見するとまともなことを言っているように聞こえることが、実は問題なのだが。
朝日など左派系メディアからすると、安倍首相を追い落とそうと「誰かいないか?」と見回した際に目についたのが、この石破だった。安倍首相の対抗馬的な位置へ意図的に持ち上げたということ。
自民党の党員・党友の多くはそれが分かっていた。だから党員・党友票は高市候補が石破を上回った。当然、国会議員も石破が「きれいごと」を言って、批判のために批判しかできないヤツだということを知っていた。だから1回目の投票は46票しか獲得できていない。コバホークが41票であることを考えると、人気がないのは明らかだ。
ところが、最後(決選投票)で「自民党内の人気はいまいちだが、国民には人気がある」が頭をよぎった議員が多かったとみえる(「右派の高市では国民の幅広い支持は得られない」とも考えたのかもしれないが)。石破が189票(高市は173票)に膨れ上がった。
それが、今回の衆議院選結果だ。誰がどう考えても石破を選択したのは最悪手だ。後悔先に立たずだろうが。
今になって思うと、朝日などが「石破」と言い続けたことが今回の繋がったと言える。ナチス・ドイツの宣伝大臣であったゲッベルスの言葉に「ウソも100回言えば真実となる」がある。信頼などなくなっているオールドメディアだが、影響力は未だに健在なことを示した例かもしれない。
まあ、朝日からすれば「瓢箪から駒」かな。説明するまでもないが、国語辞典から引用すれば「(瓢箪くらいの大きさのものから、駒すなわち馬のように大きなものが出るようなありえない状況から)冗談や誤解で言ったことが意図せずに実現してしまうこと」。
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