朝日新聞に「『言葉は、人を殺しも救いもする』 李琴峰さん、誹謗中傷と向き合う」というインタビュー記事が載っていた(8月16日)。李さんは台湾出身の作家で、2021年に芥川賞を受賞している。
事情はまったく知らないが、芥川賞受賞以降、誹謗中傷を受けてきたという。悪質なものに対しては、刑事・民事両面で告訴し勝訴もしているようだ。本人によれば「人身攻撃、差別発言、低レベルの侮辱と悪口、そしてデマと誤情報』を浴びせられたという。
こういう経緯から、現在いろいろ問題となっている誹謗中傷に関して、朝日は李さんのインタビューを行ったのだろう。ちなみにインタビューアーは二階堂友紀記者。おっ、ちょっと香ばしい。
一般論から言えば、「言葉は、人を殺しも救いもする」というのはその通りだし、特に誹謗中傷は「人を殺しもする」だろう。
このインタビュー記事では李さんは完全な「被害者」として登場するが、ちょっと違和感がある。李さんが誹謗中傷の被害者なのは確かだろうが・・・。
李さんは過去、安倍元首相の「断腸の思い」と言う言葉に対し「本当に腸を断ってくれないかな」。同じく持病の悪化を理由に退陣した際には「安倍晋三さんには元気でいて欲しいな。体調が原因で刑務所に入れないってことになると困る」などと発言している。
ほんの一部だが、これって、どういうこと? 李さんはこういうことを平気で言ってきた人。政治的に安倍元首相を支持しないことはいいけど、これは自身が苦しんだという誹謗中傷にあたると言われれば否定できないのでは?
もちろん、自身が浴びた誹謗中傷を甘受せよと言う気はないが、自身の言葉にも責任を負う必要があるのではないか? (後につまらない言い訳をしているようだが)
ただこの記事で一番書きたいのは、李さんこと云々ではなく朝日新聞についてだ。相変わらず一面側からの視点のみで記事を書く(インタビューをする)典型的な朝日的手法。手っ取り早くお仲間被害者を連れてきて、社会を断罪する正義の味方朝日という気持ち悪い手法。
いろいろな意見がある中で、この記事は「バランス」がとれているのか疑問だと言うこと。まあ、朝日が一方的なのはいつものことだし、バランスなんて言葉は朝日社内に存在しないだろうけど。
でもこういう記事は李さんに対し、「また好き勝手言ってる」という誤解を与えることにもなりかねない。さらには二階堂がインタビューアーだと、つまらない憶測も呼びようだし(苦笑)。
コメント