トランプ前米大統領がペンシルベニア州での演説中に銃撃され負傷した(7月13日)。幸いにも弾丸は耳を貫通し事なきを得たが、最悪の事態とは紙一重だったと言える。

その後、トランプ前米大統領は共和党大会で大統領候補に指名され、18日に指名を受諾する演説を行った。「自分はアメリカの半分ではなく、すべてのアメリカのための大統領になるために立候補した」と述べて国民の結束を呼びかけている。

朝日新聞もこの銃撃事件に関して社説を書いている。「トランプ氏銃撃 政治暴力の連鎖を断て」(7月15日)。

表向きは「選挙運動中の候補者が言論で支持を訴える場を狙った犯行は、民主主義の根幹を揺るがす暴挙であり、断じて容認できない」と殊勝なことを書いている。しかし「国民の分断・分裂を煽ったトランプに、その責任の一端がある」的な本音が透けて見える。

「政治的動機に基づく暴力犯罪は70年代をピークに沈静傾向にあったが、近年再び増えている『という』。とくにトランプ氏が大統領選で当選した2016年以降に顕著だ『という』」。

具体的なデータを示さず「~という」とは、明らかな印象操作だ。朝日の得意技と言えるのだが悪質にも程がある。年間データがどう推移してきたのかを示す必要がある。しかも「トランプが大統領に当選した2016年以降顕著」などと言うなら、なおさらデータを示す必要がある。

オレのような統計学を専門とする理系人間からすると、データも示さず「という」で他人を攻撃する(貶める)朝日の論調は、まったく許容できない。

さらには、「憎悪をあおってきたトランプ氏の責任もまた重い」「(トランプの言動が)国民の分裂を深めたことを自省しろ」と書く。朝日の言いたいことが、今回の銃撃事件もこういうトランプの行動・発言が原因(一因)だというのは明らかだ。

相変わらずバカな新聞だ。バカな論説委員連中だと言った方がいいかな。朝日の政治的スタンスからすると、民主党(バイデン)を応援しているのだろう。「バイデン氏は事件後、国民に結束を呼びかけるとともにトランプ氏に見舞いの電話をかけた」と、さりげなくバイデン上げをしているのには笑ってしまう。

それにしても、こういう恥ずかしい社説を相変わらず書いている朝日。安倍元首相がテロに倒れた際も、表向き「許せない」と書きながら、容疑者の動機には情状酌量の余地がある的なことを書いていたのと同様だ。

なぜテロを徹底的に批判しないのか? なぜそこに勝手な論拠を与えるのか? 逆の立場、つまりは自分たちがテロの標的になった「神戸支局事件」(1987年)に関して、朝日が偏向記事ばかり書いているから起こったのだ(実際に犯行声明文にはそういう趣旨が書かれている)。朝日にも責任があるとか書かれたらどうか?

自分たちが書いている社説も、それと同じことをやっていると自覚すべきだ。

慰安婦捏造騒動の際(2014年)、万引きした商品を棚に戻したこと(それも批判され批判されやっと)を「誇らしい」と書いた沢村亙が論説主幹代理をやっているような組織だからな。こんな論調も当然なのだろう。(当然、当時の状況を揶揄した表現)