北海道留萌市の少女(17)が行方不明となり、5月下旬に石狩川で遺体が見つかった事件で、北海道警は6月12日、ともに旭川市在住の21歳の女と19歳の女を殺人容疑で逮捕した。
この事件を報じるTVのニュース番組をたまたま見た。TV各局がニュース番組を流している夕方の時間帯。適当にザッピングをしていた際に、日テレとフジTVでこの事件をやっていたのを見た(6月12日)。
日テレ、フジともに逮捕された21歳の知り合い・関係者とかいう人が、容疑者の人となりについてインタビューに答えていた。
日テレ「そんなことをするようには見えない」と、事件が意外だというようなニュアンスで話していた。一方、フジ「(捕まったと聞いて)驚きはない」と、事件を起こしそうな人間というようなニュアンスで話していた。
*いずれも発言は要旨。一言一句こう話したかは記憶が曖昧だが、趣旨は違っていない。
日テレとフジで21歳の容疑者の人となり、他人が受けていた印象が大きく違う。日テレを見た人は「余程のことがあったのだろう」的な印象を受ける。フジを見た人は、逆に「そういうヤツなんだ」的な印象を受ける。
容疑者の素性や性格などは今後明らかになっていくのだろうが、初動で受けた印象は人を結果的に縛ることも多い。こういう事件報道で日テレもフジも、意図的に容疑者に「色」をつけようとはしないだろうから、どちらも間違ってはいないのだろう。
そうすると、たったひとりの関係者から話を聞いただけで報道するのは、正しい報道とは言えないことになる。両局とも「印象操作」をする意図はないだろうが、結果的に「印象操作」をしてしまっていることになる。
速報性が求められる事件報道で、他局との差別化を図ろうと独自の取材で報じるのは当然のことだが、結果的に意図しない「印象操作」をしてしまっては元も子もない。
個人的に問題だと思うのは、TV局(報道機関)がそんなことを気にしないで報道しているということ。意図しなければ「印象操作」をしていいのかと言えば、もちろんそんなことはない。
TV局(新聞なども)はオールドメディアと揶揄され、一部の世代にしか信用されなくなっているが、それでもまだ影響力は大きい。そういう自覚をもって報道しなくてはいけないだろう(意図的な「印象操作」を日常的に繰り返している某左派系メディアは論外だが)。
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