衆議院東京15区の補選で、政治団体「つばさの党」なる団体の候補者とその陣営が、他候補者の演説などを妨害した行為が波紋を広げている(当事者は逮捕されている)。

あのような「選挙妨害」許していいはずがない。演説を聴きに来た一般有権者の「聴く権利」を何だと思っているのか。しかし朝日新聞は「規制強化は表現の自由との兼ね合いで慎重論もある」などと逃げている。本音は「規制強化反対」だ。
(「朝日新聞が『選挙の自由妨害』強化に反対な理由」参照)

では、朝日がどのような理屈(論理)で、選挙妨害の「被害者」である安倍首相(当寺)を批判し、「加害者」である左翼活動家を擁護したかを書いておく。

平成29年(2017年)の東京都議選、秋葉原駅前での安倍首相の演説。左翼活動家らは「安倍やめろ」「帰れ」と大合唱し、執拗に演説をかき消し一般聴衆の「演説を聴く権利」を侵害した。

それに対し安倍首相は「みなさん、あのように人の主張の訴える場所に来て、演説を邪魔するような行為を、私たち自民党は絶対にしません。私たちはしっかりと政策を真面目に訴えて行きたいんです。憎悪からは何も生まれない。相手を誹謗中傷したって、何も生まれないんです」。

そして「こんな人たちに、みなさん私たちは負けるわけには行かないんです」。

この演説に対し朝日は「批判を連呼しても主権者じゃないか。このむき出しの敵意、なんなのか」と強く批判した。安倍首相が自分に反対する「主権者である一般人」を「敵意」を持って攻撃したとのロジックに仕立て上げたのだ。

当該部分の全文を読めば「このむき出しの敵意」という論調になるだろうか? この朝日の論調に「理」を感じるだろうか?

朝日を始めとした左派系メディアの切り取り報道と論調を受け、演説の内容を把握できていない人たち(特にSNS)から「総理大臣は国民と戦う立場じゃない」「あなたがバカにしている『こんな人たち』も、あなたが守らねばならない国民なんです」との批判が広がった。

朝日の思惑通り、選挙妨害の「加害者」である左翼活動家らが「被害者」に化けるとともに、「一般人」にも化けてしまった。そして「被害者」である安倍首相が批判されることとなった。

これに味をしめた左翼活動家らは益々増長した。年々左翼活動家連中の選挙妨害は酷くなっている。「ヤジと言う名の妨害」「表現の自由に名を借りた妨害」を繰り返した。それを朝日は何でも構わず擁護した。

当然、攻撃対象は政権側(体制側)であるはずだった。しかし朝日にとって誤算だったのは、今回つばさの党のような連中が現れたことだ。つばさの党は野党側にも攻撃を仕掛けた。朝日にとっては看過できない状況が生まれてしまった。

「ヤジと言う名の妨害」「表現の自由に名を借りた妨害」を左翼活動家が政権側に対して行うのは良いが、変な連中が野党側(特に立民や共産)に行うのは避けたい(規制したい)。

朝日からすれば「つばさの党の連中、なんてことをしてくれたんだ」ってところかな(苦笑)。