福島第一原発の処理水放出に関連して、13ベクレル(WHO飲料水基準1万ベクレル)のトリチウムが検出されたことを「悪意ある見出し」で配信した共同通信。
(「共同通信はもう報道機関を名乗るな!」参照)。

今回の放出(5回目)では、約7,850トンを放出した。総トリチウム量は1兆5,000億ベクレル(推定)。期間中の最大トリチウム検出量29ベクレル/リットル。この数値はWHO飲料水基準(1万/リットル)、東電の運用基準(1,500/リットル)と照らし合わせても何の問題もない。

これを東京新聞は「原発処理水の海洋放出、5回目を完了 海水から29ベクレル検出に東京電力『放出水が少し高めの数値だった』」との見出しで報じた。多少の煽りが含まれているが、事実は報じているので許容範囲としておこう。

言いたいのは東京新聞のことではなく、この記事を引用し「海は都合の悪いものを捨てられるゴミ箱じゃないんだよ」とXにポストした社民党副党首・大椿裕子(議員名ゆうこ)のこと。

その他の言動をみても、大椿が反原発の考えであることは分かる。まあ、社民党という素性を考えれば当然なのだが。それにしても、その物言いは国会議員(参議院議員)として「いかがなものか」ばかりだ。

そこには「科学」を理解しようという気すらなく、ただ感情論でのみ発言している。こういう人たちは「1+1=2」は「違うっ!」って言っているのと同じなんだけど。まあ、世の中にはこういう人もいるだろう。いろんな人がいるから。ただ、国会議員としては、まったくふさわしくないのは言うまでもない。

でれでも、主張が一貫していればましなのだが、そうでもないところが「ある意図」を感じてしまう。韓国・中国の原発から排出される「処理水」のトリチウム量は、福島第一原発の2倍以上だということ。しかし大椿らが韓国・中国に「海は都合の悪いものを捨てられるゴミ箱じゃないんだよ」と抗議したとは寡聞にして知らない。

処理水の放出は、日本にとっては「都合の悪いもの」だが、韓国・中国にとっては「都合の悪いものではない」と言うことらしい。こういう連中は一事が万事こうである。「日本はダメだが韓国・中国はOK」、ひいては「お前はダメだが私はOK」というご都合主義発言を繰り返す連中だということ。

先に「主張が一貫していればましなのだが」と書いたが、ある意味「ご都合主義」という点では首尾一貫しているとも言える(苦笑)。

一応、社民党の見解を載せておくと、「完全に除去されているという立証がされていません。完全に除去されていないわけですから、それはもう処理汚染水というか、放射性物質は少量でも問題」(福島瑞穂党首)。

だったらなおさら、韓国・中国を始め世界中の原発稼働国に対して、同じことを言う(抗議する)必要があるのではないか? しかしこういう連中は、日本の「1+1=2」は証明されていないが、韓国・中国の「1+1=2」は正しいと言う。

そして「社民党は人の命を守るために頑張っているというふうに思っております。必要な政党です」(同)。自分で「必要な政党です」なんて言うのは「社民党なんて不要」という、多くの国民の声を意識しているからだろう。

大椿や福島のこういう言動を見るにつけ、「社民党など不要」と改めて強く思う今日この頃。