読売新聞(大阪本社)は小林製薬「紅麹サプリ」での健康被害に関連し、取引先企業の反応をまとめた4月6日夕刊の記事で、企業社長の談話を捏造した社会部主任を諭旨退職、取材に当たった岡山支局記者を記者職から外す職種転換と休職1か月の懲戒処分にすることに決めたと発表した(その他、幹部の更迭や減給処分も)。

これは4月7日夕刊記事中の、小林製薬の紅麴を原料に使った企業の社長の談話が捏造されていたことに対する社内処分。岡山支局から上がってきた記事原稿を「自分がイメージしていたものと違った」として、大阪社会部主任が勝手に発言を書き換え捏造していた。

当然、取材を受けた社長は自分の話していないことが記事に書かれていることに抗議。抗議を受けた後に、発言していなかった事実を伏せて「確認が不十分でした」とする事実と異なる訂正記事を掲載していた。

読売は「編集幹部らが事態を甘く見て捏造と明確に認識せず」とか言っているが、捏造を「隠蔽」しようとしたのは明らかだろう。

「捏造」と言えば朝日新聞の十八番だが、「しんぶんむら」では過去から当たり前に行われてきた「伝統」ということ。記者の勝手な「思い(想い)」で記事を書く。つまりは結論ありき。結論に合わない事実は伏せる(都合の良い事実しか使わない)。さらには事実をまったく書かないで自分の結論のみ書く。そして、最後は事実を曲げる(捏造する)。

捏造まで行かなくても「悪質印象操作」など、毎日のようにどこかの紙面に載っている。そこには特定の意図があるのは当然で、読者を「特定の方向」へ誘導しようという姑息なもの。それは新聞社の意思であり、記者の意思でもある。

この「意思」とは朝日で言うところの「角度をつける」こと。事実をありのままに報道しないで、そこに新聞社(記者)の「意思」を紛れ込ませる。読者は「事実」を読んだつもりが、実は新聞社の「意思」を読まされている。

こんな新聞を「事実」として売っているのだから、もはや詐欺である。ひところ多発した「食品偽装」(産地偽装、賞味期限偽装など)と何が違う? 同じだろう。新聞社はそういう企業を口汚く批判していたが、オレから言わせればやっていることは同じだ。

今回、読売は「捏造」した大阪社会部主任を「諭旨退職」とした。甘くないか。なぜ懲戒解雇でないの? 読売の就業規則や懲戒規定は知らないし、なんでもかんでも「懲戒解雇にしろ!」と言うつもりはないが、「捏造」は新聞への信用・信頼を大きく毀損する。「捏造」とはそれくらいのレベルの「悪事」だと思うが。

「しんぶんむら」で読売の捏造や対応を批判する新聞社はない。批判どころか論調すらしていない。どこも読売の発表を淡々と載せているだけ。斜陽産業の新聞社が、お互いの傷をなめ合っているようにしか見えないぞ。