朝日新聞の「反原発原理主義」「再エネの美化」は、朝日の社論なので好きに書けばいい。しかし、それは合理的で論理的でなければならない。他の論拠との整合性も求められる。これなくして説得力のある論調にはならないのは言うまでもない。「記事」、言うなれば「論説・論調」で対価を得ているのだから当然だ。

そんな朝日は最近「グリーンインフラ」推しも始めている。「グリーンインフラ」とは「自然の持つさまざまな機能を課題の解決手段として取り入れ活用していく」という発想や考え方のこと。

具体的には森林の貯水効果(急激な雨水の流出抑制、水害の防止)の活用、木々によるヒートアイランド対策、海岸防災林の侵食の進行や津波・高潮による浸水被害防止など。

朝日は「SDGS ACTION」なんてページまで作って、「グリーンインフラ」の世間への周知を頑張っている。それは「どうぞ」でしかないのだが、日々の記事との整合性が無さ過ぎて笑うしかないレベルなのだ。

朝日の主張は「原発ゼロ」。「反原発原理主義」とも揶揄され、その目的のためには「ウソ・捏造」「悪質印象操作」「感情論で煽る」は当たり前。そして、具体的積算根拠も示さず「再生可能エネルギーをメインにすれば世の中バラ色」と書く。

そんな世の中をバラ色にする再エネ(太陽光)を推し進めるには、多くの山林(樹木)を伐採し用地を確保しなくてはならない。日本のあちこちで余りに酷い状況が見られるようになってきた。

阿蘇山付近のメガソーラー (1)
阿蘇山付近のメガソーラー (2)
阿蘇山付近のメガソーラー (3)
熊本県阿蘇山近郊のメガソーラー発電所。

これらは朝日が書く「樹木は森林の保水力を高めて斜面の崩壊を防ぐ」効果があるので「自然を生かし活用する方向へ大きくかじを切れ」という論調(社説)と、どう整合性があるのだろう?

太陽光発電を拡大しようと思えば、日本中がこういう景色になる。木々は伐採され、はげ山ばかりになる。そういう現実には目をつむり「これからはグリーンインフラだぁ~!」「森林の保水力を高めて斜面の崩壊を防げぇ~!」「防災効果がぁ~!」と書く。

郊外の話ばかりではない。街中でも同様だ。「屋根や屋上に太陽光パネルを設置しエコ発電だぁ~!」と書きながら、「屋上緑化でヒートアイランド対策だぁ~!」と書く。

もう呆れるしない。それぞれが相反する可能性が大きいにもかかわらず、関連付けて論調することは絶対にない。関連付けたらそれぞれのメリットは大きく失われ、デメリットしか見えてこないからだ。だから朝日はそれぞれ好き勝手に書く。記事の整合性など気にしない。

こういうのを悪質な印象操作記事と言う。読者を特定の考えに誘導する洗脳記事と言ってもいい。それぞれのメリット・デメリット、さらには組合せた場合のメリット・デメリットは最低限示すべきだ。それを踏まえ、朝日はこう考えると書かないといけない。それが「論説・論調」で対価を得ている新聞社の最低限の務めであるはずだ。

つまりは特定の思想を垂れ流すだけのプロパガンダ紙だと、自ら認めているってことかな。