共産党の23年ぶりの委員長(党首)交代を論調する朝日新聞の社説(「共産党新体制 党を開く変革伴わねば」1月19日)を笑ったが、実は同日の毎日新聞の社説もほぼ同じ内容だった。(朝日の社説は「朝日新聞の共産党への『想い』を感じる社説(苦笑)」参照)

朝日は共産党の天皇・皇室、自衛隊などに関する政策・方針には触れず、「民主集中制」のみから「開かれた党に脱皮せよ」と書く。それが「より多くの国民の共感や支持を力に変える」と言う。

朝日らしいなぁと読んだが、毎日新聞も同じ論調をしていて笑ってしまった。毎日も共産党の天皇・皇室、自衛隊への方針への批判はなく、逆に2004年に「当面容認」と「現実路線へと転換を図った」と評価しているかのような書き方。

批判内容は朝日同様「民主集中制」のみで、これが支持層の広がりを阻んでいる一因だと言う。そして結論は「より開かれた党へと変革する取り組みが欠かせない」。おいおい、見事なまでに朝日と同じことを言っている。

朝日・毎日からすると、共産党の問題点は「民主集中制」しかないようだ。でも、これは共産主義(いわゆる共産党)では当然の「行動規範」だ。これは共産党が共産党であることの証とも言える。これなくして党幹部の地位は安泰とは言えなくなる。

だから共産党はしんぶん赤旗などで盛んに「民主的な党運営をしている」「多数にならず大きな流れのなかでは現れてこない少数意見も、一つひとつ吟味されている」などと、正当性を主張している。

共産党の言い分は別にして、朝日や毎日が党内民主主義とも言うべき党首公選制などを取り入れれば、共産党の支持が広がると考えている理由がまったく分からない。もちろん、それがすべてではなく第一歩だと言うのかもしれないが。ただ国民目線とは大きくずれていると思うぞ。