2023年9月、メキシコ議会で開催された未確認飛行物体(UFO)に関する初の公聴会で、メキシコ人のUFO研究家が「地球外生命体の遺体」とされる2つの物体を議会で披露して世界的な話題になった。
2体の「地球外生命体の遺体」とされるものは、身長約60センチで両手の指は3本だ。2017年にペルーのナスカで発見され、メキシコ国立自治大学で行われた炭素年代測定から紀元前1000年頃のものと推定されたという。
この「地球外生命体の遺体」とされるものは、1月5日放送の「ウソかホントかわからない やりすぎ都市伝説スペシャル2024新春」(テレ東)で取り上げられた(ようだ)。
「ミスター都市伝説」と呼ばれる関暁夫はうち1体に触らせてもらい、「うわーすごぉーー!エネルギーが止まりませんよ!」と大興奮だったと、テレ東の番宣ページに書かれている。
番組を見ていないので、どういう「都市伝説」として語られたのかは知らない。UFOや宇宙人といったオカルト的なものは、何十年も前からネタが尽きないコンテンツだ。そしてあらゆる商売のネタとして使用されてきた。これはバカにしているわけでもなく、批判しているわけでもない。
無限の宇宙、未知なる世界というものへの探究心は、人々の興味をかき立てる。もちろん、人によってその温度差は大きいだろうが。「本物に違いない!」「もしかしたら」「そんなわけないだろう」「絶対にあり得ない!」「興味ない」など。
ところで、この「地球外生命体の遺体」とされるものとは別の、昨年やはりペルーで発見されたという「宇宙人のミイラ」とされるものが、ペルーからメキシコへの輸送中にペルー当局によって押収された。ペルー当局は3ヶ月を費やし、この「宇宙人のミイラ」の科学的な分析を行っていた。
そして1月12日にペルーの法医学研究所などは、「人間と動物の両方の部分から作られた可能性が高い」と指摘。地球外生命体ではなく「完全に作り話」と言い切った。
ミイラの頭蓋骨はペルー国内でよくみられるアルパカやヤクといったラクダ科哺乳類のもので、体は鳥の骨の残骸だったとのこと。そして人型のミイラにするために、金属板を入れて合成接着剤で組み立てたものだった。
今回の発表は、あくまで昨年10月に押収した「宇宙人のミイラ」のことで、メキシコ議会で披露され、テレ東の番組で関が触れていた「宇宙人のミイラ(遺体)」のことではない。
ただ、どっちも人類がイメージする「宇宙人」の顔なんだよな。映画「ET」顔とでも言うか。体型や指の本数も同様。つまりはミイラ作者の想像力の限界が見えてしまっている。言い方は悪いけど、SF映画で使い古された像容だということ。
広い宇宙の中で、なぜ人間と同じような「進化」を前提とした像容になるのか。環境(重力とか、エネルギー源の違いとか、酸素吸引なのかとか)がまったく違うと思われるのに。
科学的にこういう分野を研究し、真摯に向き合っている方には申し訳ないが、オレのようにエンターテインメントとして考えがちな人間からすると、もうこのありきたりな「宇宙人顔」は受け入れられないわ。
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