フランスで移民の出生地主義による国籍付与の見直しなどを含む新たな移民法案が、賛成多数で可決された。不法移民に滞在許可を与えるための条件が当初案より厳しくなった他、外国人労働者が家族手当などの社会保障を受ける条件も厳格化された。
両親が外国人でも仏領土で生まれれば自動的にフランス国籍となる出生地主義を採用していたが、今後は16~18歳の間に国籍を申請した希望者にのみ仏国籍を与えることになる。合法的な移民が母国の家族を呼び寄せる際には収入や健康保険の加入の証明が必要になり、外国人留学生には仏当局への保証金の支払いを求める。
まあ、まっとうな方向での新法といえる。ただ、ここで言いたいのは移民法(内容)の善し悪しではなく、それを伝える朝日新聞の記事(用語)についてである。
朝日は移民法案が可決された大きな原因は「右翼政党『国民連合』が賛成した」からと書く。「右翼政党」って何? 朝日の定義はどういうもの?
朝日新聞デジタルで「右翼政党」と検索すると、実に15ページに及ぶ数の記事が出てくる。フランス・ドイツ・ベルギー・オランダなど、欧州各国の一部政党を「右翼政党」とレッテルを貼っている。
ところが「左翼政党」で検索すると、たった1ページしか出てこない。しかも、その多くは一般論としての「左翼政党」が書かれている論評や書評などで、具体的な政党で「左翼政党」とされたのは旧東ドイツの独裁政党の流れをくむ政党のみ。記事も実質1本。この政党は日本語訳で「左翼党」とされているので、朝日が一般的な意味での「左翼政党」と書いたのかは微妙だ。
なんてことはない。朝日と考えが合わない綱領などを持つ政党はすべて「右翼政党」で、「左翼政党」はこの世界には実質存在しないようだ(苦笑)。日本の左翼政党にも「リベラル」などと、本来の意味とは違う使い方をする「ご都合主義」を発揮している。
結局は、朝日得意の「印象操作」でしかない。「右翼政党」と書くことで、いかにも排他的で全体主義的で独裁的なイメージを与えようと魂胆だ。朝日が読者に与えようとする「右翼政党」のイメージは、朝日が大好きな習近平や中共、北の将軍様と何ら変わりはないと思うけどな。
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