ネットをダラダラ見ていたら、「大学生でも間違える計算『40-16 ÷ 4 ÷ 2』の答えは?」という記事を見つけた。

えっ? これを間違えるのと思ったが、単純に左から計算する人もいるんだろうな。ところが、それだけではなく、好き勝手な順番(位置)から計算する人もいるようだ。

もちろん答えは「38」。
まず16 ÷ 4で4、4 ÷ 2で2。そして40-2で38。

間違いの例として挙がっていたのは下記のようなもの。
 (1)40-16 ÷ 4 ÷ 2 = 24 ÷ 4 ÷ 2 = 6 ÷ 2 = 3
 (2)40-16 ÷ 4 ÷ 2 = 24 ÷ 4 ÷ 2 = 24 ÷ 2 = 12
 (3)40-16 ÷ 4 ÷ 2 = 40-4 ÷ 2 = 36 ÷ 2 = 18
 (4)40-16 ÷ 4 ÷ 2 = 40-16 ÷ 2 = 24 ÷ 2 = 12
 (5)40-16 ÷ 4 ÷ 2 = 40-16 ÷ 2 = 40-8 = 32

(1)のように最初に40から16を引いて24を出して、4で割って6、それを2で割って3。これは単純に左から計算しているので、間違いの理屈としてはなんとなく理解できる。しかし(2)のように24を出した後、 24 ÷ 4 ÷ 2 を12としてしまうのは理解できない。複数とは言え割り算だけなのにって思う。(5)も似たり。

(3)(4)のように割り算・引き算・割り算と好き勝手に計算するのは、どこからきているのだろうか。

この問題の大学生(専攻分野などは不明)の誤答率は約10%で、誤答が多かったのは(1)と(5)らしい(2008年ころのデータ)。

どうやら、良くも悪くもゆとり教育(2002年から)が影響しているらしい。
(1)原則として計算は左から順に行う
(2)カッコ( )はひとまとめに見て、その中を先に計算する
(3)× ÷ は+-より先に計算する
という計算規則の教育が疎かになっていたと考えられる。なんと、当時の小学4年生の算数の教科書に、1社ではあるが(1)が載っていなかったというのだ。それを考えると「24 ÷ 4 ÷ 2」を「12」や「16 ÷ 4 ÷ 2」を「8」と答える人が出てきてもおかしくはないのかな。

「ゆとり教育」を全面的に批判する気持はないが、今になって思うと「何だっかのかなぁ」(苦笑)。

記事中のデータは10年以上も前の古いものなので、現在の大学生の1割が間違えるかは分からない。多分言えることは「覚える」中身の問題なのだと思う。「暗記」「丸覚え」でなく「理解」したかということ。

三角形の面積の求め方は、ご存じの通り「底辺 × 高さ ÷ 2」。これを暗記しておけば答えは出せる。しかし何で「底辺 × 高さ ÷ 2」なのか? が重要なのだ。これを「理解」していれば公式を忘れても(まあ忘れることはないが)答えは出せるし応用もできる。

こういうことを意識して、小学生に算数を教員がきちんと教えているかということ。文科省の学習指導要領の問題もあろうが、そんなことは望めそうもない。

同じ事が言えるのは「歴史」教育だ。「歴史は暗記もの」などという言葉が昔からあるが、まったくの間違いだ。そうさせたのは教員の質の問題だ。歴史はその流れが重要なのだ。それなのに、なぜ歴史がそう流れて行ったのかではなく、「何が起こったのは何年?」みたいなことばかり問うからだ。日本人の算数嫌いと歴史嫌いは、教員(+文科省)が悪いとオレは思っている。

最後に誤解してほしくないが、「40-16 ÷ 4 ÷ 2」ができないこと(人)をバカにしているわけではないということ。

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