日刊スポーツの記者が業務と関係のない第三者に取材パスを渡し、プロ野球の試合を「無銭観戦」させていたことが発覚した。

日刊スポーツの記者は神宮球場で開催される六大学野球の秋季リーグ戦(9月30日)の取材パスを複数枚申請し、担当ではない複数の同僚に渡していた。この同僚たちは取材パスで球場に入り、六大学野球を観戦。その後、そのまま18時から開催されたヤクルト対DeNA戦も観戦していた。

つまりは、六大学野球とプロ野球の最大3試合を「ただ見」したことになる。9月30日の六大学は明大vs立大、慶大vs東大の2試合が行われていた。実際どの段階で入場したのかは不明。主目的はヤクルト戦だったようだが、取材パスという特権にあぐらをかいた悪質なものだ。

言うまでもなく取材パスは「取材」するメディアに便宜を図って貸与されるもので、六大学連盟やヤクルト球団(当日の主催チーム)との信頼関係で成り立っている。いかにメディア(記者連中)が傲慢かが分かるというもの。

同様の不正は過去から後を絶たない。2014年の夏の甲子園(高校野球)では、朝日新聞記者が記者章を知人に貸していたことが発覚している。知人は撮影禁止エリア内でスマートフォンを使って選手を撮影していた。

「ただ見(無銭観戦)」は「ただ食い(無銭飲食)」と何も違わない。どちらも犯罪だ(刑法犯)。「ただ食い」がばれれば、店主次第だが警察に突き出されても文句は言えない。最初から金銭を払う意思がないのだから「詐欺罪」。

今回も同様だ。最初から金銭(入場料)を払う意思がないのだから「詐欺罪」。今回や朝日の事例も関係者をだまして入場しているので「詐欺罪」「利得詐欺罪」に当たる。勝手に入れば「建造物侵入罪」もある。

現に9月末、奈良市で開かれた男性アーティストのコンサートに、チケットを購入せずに関係者入り口から侵入した女が「建造物侵入罪」で逮捕されている。記者連中の行為も犯罪だ。主催者が警察に突き出せば「逮捕」されても文句は言えない。

ところが日刊スポーツも過去の朝日もそうだが、こういう刑法犯を社員が犯しているにもかかわらず、自らはまったく発表・報道してないことだ。犯罪か否かは別にして、取材パスという記者の特権を悪用したことに対し、口をつぐむことがメディアの行動としてふさわしいのだろうか? そう言えば、TBSは記者の万引き逮捕を隠蔽していたこともあったな。

では、他社・他人が同様の不正(犯罪)を行ったら、連中はどうするだろうか? 口汚く批判記事を書くだろう。しかし、これが自分らのことになると途端にこうだ。まあ、朝日は支局長が「建造物侵入罪」で罰金10万円の略式命令を受けても報道しなかったから(2018年)、摘発もされてないのに報道するわけがないか。

しかも内部処分は、日刊スポーツが「謹慎」だが既に復帰(記者職ではないが)している。朝日は「厳重注意」だった。

取材パスの悪用(流用)なんて、どこでもやっているのだろう。その証拠に新聞はどこも報道していない。かばい合っているのかもしれないが、各社・各記者ともマヒしているからだろう。「しょうがねぇな、ばれるなんて」ってところ。

まあ、某新聞社では取材パスで国会議事堂に入った記者が、左翼活動家まがい(と言うか、活動家そのもの)の行動を取っていたくらいだから。特権を特権と思ってないのだろう。たかが一企業の社員でしかないくせに。

こんな記者連中の傲慢さには呆れるしかない。この程度の連中が自分は「ジャーナリストだ!」とか言う。なんの冗談だ?

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