戸籍法の改正に伴い2024年度から戸籍に読み仮名を必須とし、漢字本来の読み方と違う、俗に言う「キラキラネーム」に一定の制限がかかる見通となった。現時点では次のようなケースが認められないとしている(法務省)。

・漢字の意味とは反対の読み 「高をヒクシ」
・漢字の読みとして判然としない 「太郎をジロウ」
・漢字の意味や読み方からは連想できない 「太郎をマイケル」

やっぱり「当て字」になると読みづらいし、ただの当て字ではなく意味も合わないのは、確かにそうだろうなと思う。

子どもの名前は流行り廃りがあり、昭和の中ころ(1970年代)までは、男の子なら◯雄(雄以外に夫・男など)、女の子なら◯子が多かった。例えば昭和28年(1953年)生まれの女の子のトップ3は「恵子」「洋子」「和子」だと言う。最近、またこういう名前が見直されているんだとか。「シワシワネーム」なんて失礼か言い方をされているようだが。

両親が子どもことを思って付けているのだから、他人がとやかく言うのはおかしいことだが・・・。

落語に「寿限無」という噺がある。生まれた子どもがいつまでも元気で長生きできるようにと考えて、とにかく「長い」名前を付けたという笑い話。ただ長いだけではなく、みな縁起の良い(おめでたい)言葉を並べているので、これも子を思う親の気持ちの表れだ。だからと言って、ということ。

「キラキラネーム」も考えようによっては「寿限無」と同じだと言える。

一番の問題は子どもが成長してから、自分の名前をどう思うかということ。満足しているなら、どんな「キラキラネーム」でも構わないだろう。しかしそうでない場合、親の自己満との批判も出るだろう。子どもが親の思いを共感できるかということ。

ただ、下の名前に関しては改名は意外と簡単にできる。15歳以上なら本人のみで申請が可能だ(中学生以下は親が申し立てる必要がある)。家庭裁判所への申し立て理由は「奇妙な名である」「むずかしくて正確に読まれない」でOKだ。

それなりに簡単に変えられるからと言って、安易に付けちゃダメだけど。また、1回目の改名は比較的簡単だが、2回目の改名は相当難しい。改名時の命名も慎重に。

変更できるからどんな名前でもOKと言いたいわけではない。法務省の例にあるような読み方に「クセ」があるのはどうかと思う。

自分の名前に満足している人って、どれくらいの割合なんだろう? 調べてみた。

2012年の男女各450人の調査。年齢層が20~40歳代と幅が狭いのだが、好き(どちらかと言うと好き含む)67%、嫌い(どちらかと言うと嫌い含む)33%という結果を見つけた。思いのほか「好き」が多いかなという印象。

一方、親が子どもに付けた名前に満足しているかとの調査もあった。これも2012年、2,646人から。こちらは満足している93.8%、満足していない6.2%。まあ、そうなるだろう。親の思いが良く表れている。

以前、TVで「キラキラネーム」を改名した男性が話をしていた。自分の判断で改名し、改名後に両親に伝えたら母親は号泣したと言う。元の名前も母親が主導し付けたと言っていた。子どもには子どもの思いがあり、親には親の思いがある。

やはり親と子どもの思いにギャップは生じてしまう。難しいけどしょうがない。