ジャニーズ事務所が設置した「再発防止特別チーム」が、その調査結果を公表した。長期間にわたり前社長(ジャニー喜多川氏)が広範に性加害を繰り返していた事実が認められたとしている。

まあ、こんなことは数十年前から言われており(疑惑)、何を今さら感が強い。また、それを殊更に報道するオールドメディアには鼻白む思いだ。各紙・各局ともこの件には目をつむってきた現実がある。今になって「ジャニーズがぁ~!」って、何を言ってるんだとかしか思えない。

そんな中、朝日新聞が自社も含め今回の問題(特に過去の報道面)に関して調査(アンケート)していた。「ジャニーズ性加害問題、報じなかったマスコミに批判 各社の見解は」。対象は朝日・毎日・読売・産経の4紙と、日テレ・TBS・テレ朝・フジの関東キー局。

朝日は自社も「今回、被害を訴える当事者の方たちが記者会見を開くまで積極的に報じてきませんでした」「男性への性加害という問題に対する認識が不足していたことなどが根底にあったと思います」「ご批判は真摯に受け止めます」(野村周ゼネラルエディター兼東京本社編集局長)と、殊勝にも反省の弁を述べている。

それなのに朝日は他社・他局も同様だと、話を広げ自身の不作為を薄めようとする。言うなれば「報道しなかったのはうちだけじゃねえだろうが」と言うこと。実はこれ、昔からの朝日の得意技なのだ。

「佐村河内ゴーストライター事件」を覚えているだろうか? 全聾の作曲者で「現代のベートーベン」と持てはやされた佐村河内守氏が、ゴーストライターを使っていた問題だ(2014年)。各紙・各局とも佐村河内氏を持ち上げた記事を書きまくっていた。朝日も同様だった。

ところが、実はゴーストライターが作曲していたことがバレて(ゴーストライターが名乗り出た)、佐村河内氏はすっかり詐欺者扱いになった(まあ、自業自得だが)。

朝日は問題発覚を受け「佐村河内守氏問題への自戒」と言う記事を書いた(吉田純子、当時文化部、現在は編集委員)。これが今回(ジャニーズ問題)と同様で、「だまされたのは『私たち』であって『私』だけではない」と始める。そして「氏にとりわけ強い光を当てたのはNHKスペシャルだ」と、NHKが一番悪いんだと書く。

最後に「自戒の礎としたい」と書くが、「私だけが悪いんじゃないよ、みんなだよ。一番悪いのはNHKさ」。こんなやつが「自戒」などと書く恥ずかしさ。誰も信用しないだろう。

慰安婦捏造の植村隆も同様だ。当時は「慰安婦」と「挺身隊」は混同されており、どの社も同様だったと言う。植村の捏造の本質はこんな言葉遊びではなく、主語をぼかし「連行された」と書いたことだ。

朝日は昔から他社も同様だと言い訳し、「うちだけじゃない」と取り繕う。これがいかにバカな言い分かは小学生でも分かる。ある意味、吉田純子や植村隆は朝日の体質を体現しているだけなのだ。

そう言えば、TOKIOの山口達也が女子高生への強制わいせつを行った容疑で書類送検(のちに不起訴)されると、朝日は「山口メンバー」とか書いていた。後に山口がジャニーズを退所してからオートバイの酒気帯び事故を起こすと、今度は「山口容疑者」(後には「山口・元メンバー」)。ジャニーズ所属でないと「容疑者」かよ。

釈放後の表記の社内ルールだとか言いそうだが、起訴(略式含む)時に容疑が晴れているわけでもなく、勝手な言い分でしかない。

こういうことも含めて、「真摯に受け止めます」なんて誰も信用するわけがない。

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 「朝日新聞が佐村河内問題で反省記事を載せたけど・・・
 「佐村河内守問題での朝日新聞の開き直り
 植村隆の記事は多数あり。