朝日新聞に福島第一原発の「処理水」放出に関しての世論調査結果が載っていた(7月17日)。それによると処理水の放出に「賛成51%、反対40%」だと言う。朝日の調査でも賛成が過半数を超えているのね。朝日があそこまで「悪質印象操作」を繰り返してきたにもかかわらず。

科学的知見など一切無視し「汚染水」や「処理済み汚染水」とか書いて、不安を煽ってきた朝日。科学的な議論になると勝てないから「科学を振りかざすな」などと、科学じゃないんだ(つまりは感情論なんだ)と言ってきた朝日。

悪風評を煽りに煽ってきた朝日が、海洋放出は「風評被害が拡大する」とか言う恥ずかしさ。厚顔無恥と言ってもよい。

そんな朝日が「処理水と中国 政治利用でなく対話を」(7月21日社説)で、中国が処理水の放出に反対し、日本の水産物に対する放射性物質の検査を厳格化したことを批判している。

その中で「安全と健康にかかわればこそ科学的知見に基づく冷静な対話が欠かせない。耳を塞ぎ、日本との争いに政治利用する中国政府の姿勢は問題だ」とまで書いている。この「中国政府」を「朝日新聞」に変えたら、すごくしっくりくるけど(苦笑)。

中国の報道官が福島第一原発に言及する際、朝日の記事から引用することが非常に多かった。それは中国が日本批判に使うのに勝手がいい記事ばかりだからだ。例えば朝日が「事故を起こした原発からの、溶け落ちた炉心の冷却に使った水であり」と書けば、翌日の中国外務省会見で報道官が同じ事を言うなどは常だった。

そんな批判仲間の中国を批判したのは、自社の世論調査結果で過半数が「処理水放出賛成」との結果が出たからだろう。では、これから朝日が放出賛成の論調になるかと言えば、それは絶対にならない。朝日の反原発イデオロギーは揺るがないからだ。

朝日としては福島第一原発は常に批判できる状態でいてくれないと困るからだ。そうでなければ、これまでウソ(印象操作ではなく明らかなウソ)も交えて書いてきた悪質な反原発記事が無駄になる。

事故直後から「プロメテウスの罠」や竹内敬二(OB,当時寺編集員)のウソ記事を垂れ流し、科学社説担当論説委員・村山知博の「原発は心配だ」、編集委員・佐々木栄輔の「科学、振りかざすのでなく」に代表される「感情論で煽る」。あっ、吉田所長調書の意図的曲解ってのもあったな。

さらには記者個人のSNSでも「原発事故による放射能の降り注ぐ下に生活をしていた事実」「首都圏の飲料水が汚染される」などとの妄想まで垂れ流した。

最近も、ろくに事故を知らない年代の記者に「双葉病院では自衛隊や警察が放射性物質に阻まれて救出活動ができず、約50人が衰弱して亡くなった」などと見え見えのウソ記事を書かせている(2021年)。

こんな朝日が世論調査の結果くらいで、「科学的知見」に基づいたことを書き始めるわけがない。朝日は朝日だということ。

中国を批判した社説で、最後に朝日はなんと言っているか。「強硬に強硬で対抗する愚は戒めたい」「丁寧な説明に一層力を入れるべきだ」だってさ。じゃあ、朝日が中国さまに対して、丁寧にかつ科学的に説明してくれよ。

どんなに科学的な説明をしても聞く耳を持たないのは朝日も同じだろう。朝日が批判する中国の姿は、実は朝日そのものだと言うこと。笑うしかない。

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 「朝日新聞は福島第一原発の『処理水』を科学的にどう考えているのか?
 など、多数。