北朝鮮が7月24日夜、2発の弾道ミサイルを発射した。22日(巡航ミサイル)、19日(大陸間弾道ミサイル級)、12日(短距離弾道ミサイル2発)に続き、短期間での連続発射である。

朝日新聞は12日のミサイル発射を受け、14日に社説「北朝鮮ミサイル 対話糸口つかむ努力を」を書いている。

まあタイトルを見れば分かるように「日本を含む関係国は対話の糸口を探るべきだ」「北朝鮮を対話のテーブルに引き出す方策を講じるべきだ」と、朝日お得意の「話し合え、話し合え、話し合え」(苦笑)。

いつまで言ってんだ。もう40年も同じことを言っている。そればかりか社説中には「北朝鮮が対米勝利と位置づける記念日に向けて国威発揚を図る狙いもあったのだろう」などと一定の理解を示すような言葉も出てくる。どこまでクズ紙なんだ。

北朝鮮が求めているのは「金一族支配体制の維持」。これしかない。これを米国に認めさせることのみを目的として、核やミサイル開発を行っている。

イラクのフセインやリビアのカダフィーは、核を持っていなかったから惨めに惨殺された。最近ではプーチンがあれほどの暴挙に出ながらも、米国は手出しができない。核を持っているからだ。プーチンは結果的に金正恩を大きく後押ししたことになる。

そんな金正恩が一時ではあるが、米国(トランプ)と急接近したことがある(2018年)。当時の米国は金正恩の「斬首作戦」を計画していると、まことしやかに言われていた。実はこの前年、正恩が米国は本気だとビビった事件が起こった。

それは正恩が元山に滞在していた際、米国のB1B戦略爆撃機が北朝鮮の元山沖まで飛行したことだ。北朝鮮軍はこれに対し、何の反応も示せなかった。空軍のスクランブル発進もできなかった。北朝鮮軍はB1Bの飛行を、レーダーで捉えることができないからだ。

正恩はトランプに助けを求めた。ただ、韓国の文在寅が大甘な見立て(古い核研究施設を閉鎖すれば、米国は金一族支配を認める)を正恩に話し、正恩をそれを元に交渉したことで決裂になったが。

まあ、この会談や経緯に関しても、北朝鮮が大好きな朝日の論説委員・箱田哲也はやむにやまれず動いた金正恩に対して、「トランプの姿勢が『脈あり』に映った」「ここぞとばかり腰を上げた」などと、正恩を持ち上げていた。

こんな箱田が中心に書いている朝日の北朝鮮社説に、見るべきものがないのはないのは当然のことである。「話し合え」などと1億回唱えようと何の意味もないのだ。先に書いたとおり、北朝鮮は金一族の安全とその支配の継続しか頭にないからだ。

だから国民に餓死者が出ようと核やミサイルの開発・実験をやめることは絶対にない。ワシントンDCまで届くICBM(しかも核弾頭搭載)を複数保持できるまではやめない。

「軍事的な圧力を強めるだけでは、北朝鮮の核・ミサイル開発が止まらないのも直視すべき現実だ」と書く朝日に聞きたい。では「どう話し合えば止まるのか?」。それを書かずに、ただ「話し合え、話し合え、話し合え」って言っていればいい新聞記者って楽な商売だな(苦笑)。

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