米国CNNが「同盟国保有のF16戦闘機、ウクライナへの供与を阻止せず 米国が示唆」とのタイトルで、バイデン政権が欧州の同盟国に対してF16戦闘機のウクライナへの供与を認める意向を示唆していることが分かったと報道(5月19日)。

このCNNのツイートを引用する形で、左翼活動家で自称東京新聞記者・望月衣塑子が「まさか、日本が保有するF16戦闘機を米国は出させるつもりではないだろうか。殺傷能力を持つ武器の貸与・供与を憲法九条を持つ日本は絶対にやるべきではない」とツイート。

このツイートは各方面からの突っ込みが殺到する事態となっている。そりゃそうだ、日本(自衛隊)はF16を保有していないからだ。すると望月は「書き間違いました! すみません F16→F2です」と訂正。

この一連の展開は、望月の批判ありきの姿が浮き彫りになっただけである。それは、その場その場で批判出きるネタに飛びつく「浅はかな左翼」の典型とも言える。

F16をF2の書き間違いだとしても、「これって何の批判なの?」「誰への批判なの?」には変わりがない。F2はF16をベースに日米共同で改造開発された戦闘機で、日本でのみ運用されている。F2は空対艦ミサイルを最大4発搭載可能で、戦闘機としては世界最高レベルの「対艦攻撃能力」を誇る。そう、島国である日本の防衛を担う「対艦」機なのだ。

現在ウクライナはロシア軍機からの長射程の攻撃により、ドイツから供与された「レオパルト2」(戦車)などを失う懸念が強まっている。だからF16の供与を受けて、その長射程の攻撃能力を利用しロシア国境まで飛び、そこから空対空ミサイルや地対空ミサイルで反撃することを考えている。

さらには、F16ならモスクワまでの飛行・攻撃も能力的には可能で、和平(停戦)交渉の切札にする思惑もあると思われる。

つまりはF2はF16と比較しその能力や役割がまったく違うため、ウクライナへの供与の対象にはならないのだ。しかもCNNの記事は欧州の同盟国のことであり、日本のことなど念頭にないし、日本政府もそんな検討すらしていないのは明らかだ。

それにも関わらず「憲法がぁ~!」「平和がぁ~!」と脊髄反射してしまう底の浅い左翼。望月は「武器輸出と日本企業」という日本の防衛産業を批判した著作を出しているが、こういうのを見ると誰が書いたのやら・・・。

何でも批判する望月だが、その立ち位置はどうなっているのだろうか? 望月が「ロシア支持」なら、ウクライナに戦局が優位に傾く恐れのあるF16の供与に反対するのも理解できるが。それにしても、望月はどうやってこの戦争を終らせるのがいいいと考えているのだろうか。それくらいは有言して欲しいものだ。