和歌山県で選挙応援中の岸田首相に「パイプ爆弾」らしき物を投げつけた男が逮捕された(4月15日)。実際に爆発しており、非常に危険な状況であった。朝日新聞も早速16日の社説「岸田首相襲撃 民主主義揺るがす暴挙」で、「動機が何であれ、暴力で目的を果たそうとすることは許されず、民主主義の根幹を揺るがす暴挙以外の何ものでもない」などと書いている。
しかし、こんな社説は朝日の「アリバイ作り」でしかない。今後、徐々に容疑者の背後関係、動機につながる内容などが明らかになってくるに従い、朝日はそれをどう政府批判・自民党批判に持って行くかを考えるだろう。
安倍元首相が山上被告のテロ行為により凶弾に倒れた時も、直後には「民主主義の破壊許さぬ」(22年7月9日社説)などと事件を批判した。しかしその後は山上の「統一教会がぁ~!」をこれ幸いと利用し、テロ事件であることを意図的に隠し山上を擁護しまくった。
以後、山上の暴挙を批判することもなく、統一教会と自民との関係性ばかりを追求した(それもリップサービス的発言にかみつくなどの低レベルなもの)。さらには朝日御用学者を連れてきては山上について語らせ、統一教会と自民党批判に目が向くよう印象操作を繰り返した。
朝日が言う「動機が何であれ」からすれば、絶対に許されないのではないのか? なぜ以降は動機に基づいた擁護論に発展していくのか? 朝日の言うことが口先だけであり、しかもその場しのぎであることがよく分かる。
そんな中の沖縄県知事選(昨年8月)では、極左活動家の女性が自民党系候補者に「空の薬莢」を投げつける事件が起こっている。候補者などに怪我はなかったが、これが手製の銃や手製の爆弾、火焔瓶だったと思うとぞっとする事件だった。
同時期に安倍元首相の「国葬」を実施した場合に、岸田首相に危害を加えるよう呼びかける投稿をした男(48歳)が書類送検された(これも昨年8月)。男は「手製拳銃を作れる人に対する煽りの意味で投稿した」と供述している。
いずれも朝日が言うところの「暴力で破壊する行為は、動機が何であれ戦後日本の民主政治へのゆがんだ挑戦であり、決して許すことはできない」だった。しかし、朝日はどちらの事件も「ベタ記事」でおしまい。論考もなし。朝日の言う「民主主義の破壊」などは口先だけだから「ベタ記事」なのは当然のこと。
その後も統一教会と自民党批判の社説は10本以上乱造しているが、逆に山上やテロ行為を批判する社説は0(ゼロ)。こういう事実からも、朝日が安倍元首相へのテロなど、何も感じてなかったことをよく示している。
今回も同様だろう。自分たちがテロ行為を隠しただけでなく、山上を散々持ち上げたことなど無かったかのように、表向きの批判社説を書いただけである。先にも書いたが「アリバイ作り」でしかない。
今後、容疑者の供述などが報じられてくるだろうが、朝日が「犯罪行為は許されないが、動機には汲むべき事情が認められる」とか、容疑者擁護の論調を始める姿が目に浮かぶわ。
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