坂本龍一氏が亡くなった。ご冥福をお祈りする。早速、朝日新聞が坂本を気持ち悪いほど持ち上げる社説を書いている(4月6日「坂本さん逝く 当たり前にしゃべろう」)。この中で「一市民」だ「世界市民」だと、左翼用語連発で褒めちぎっている。まあ、それが坂本の立ち位置を良く表している。

朝日は「世の不条理を見つめ、おかしいと思うことには声をあげる」「それを変えるためなら迷わず行動する」などと、坂本の行動を評価する。その顕著な例が「反戦」「反原発」だと言う。

朝日が坂本を「これでもかっ!」と持ち上げる理由はここにあるのだろう。朝日と主義・主張が一致しているから。さらには、社説内に何気なく大江健三郎まで出てきて、朝日のお仲間は多いなぁと感じた次第だ(苦笑)。

そう言えば、坂本は原発廃止を訴える中で「たかが電気」と発言していたのを思い出す。現在、多くの国民は坂本の言う「たかが電気」のために厳しい懐事情となっている。多くの原発が止まっていることと、世界情勢などのために火力発電用燃料費が高騰しているせいだ。

朝日も「たかが電気」と考えているようだ。「再エネ、燃料高騰下で強み コスト相対的に安く 賦課金減額」(4月5日)とのタイトルの記事で、「再エネ付加金が今年度初めて下がることになった」のは「火力発電の燃料費が高騰する一方、太陽光・風力などのコストが相対的に安くなった」からで、それが「家庭の電気代を抑える要因になっている」と書く。

はぁ~っ? 何言ってんの。なんで一般国民が「再エネ賦課金」なんていう、菅直人のお友達を儲けさせるための原資を払わなければいけないのか! 多くの国民は電気料金自体の高騰と、この「再エネ賦課金」でバカ高い電気料金を払っているのだ(2月からは国の電気料金軽減措置により、一息ついた感じになってはいるが)。

世界情勢の影響を受け火力発電の燃料費が高騰している現在、電気料金を下げるには原発を稼働させる以外に、良い手立てはない。もちろん、安全の確認されたという前置詞が付くが。ただ、意味不明な安全基準は除外する必要があるだろう。

朝日が「(再エネコストの低下が)家庭の電気代を抑える要因になっている」などと書く肌感覚は、多くの国民にはまったく受け入れられないだろう。