北朝鮮の朝鮮中央通信が、最近やたらと金正恩の娘とされる女子(10歳くらい)を報道に登場させるようになっている。昨年11月の弾道ミサイル試射現場、今年に入ってからも軍事パレードや軍の宴会、ミサイル発射場などを父親と訪問している。

金正恩父娘 (1)
金正恩父娘 (2)
北朝鮮は名前を公表していないが、韓国(国情院)や金正恩の友人というデニス・ロッドマンによれば、彼女は第二子の「キム・ジュエ」さんだと言う。

国民の多くが飢えに苦しんでいるといわれる北朝鮮にあって、ふくよかにお育ちのようだ(苦笑)。金一族のための国なわけだから、「愛するお子様」「尊敬するお嬢さま」が良い物をたくさんお食べになられるのは当然のことだろう。金王朝存続のためだけに国家運営をやっているのだから、下々は生きるのにも大変だ。

福島みずほが自分の当選のためだけに党運営を行い、社民党を絶滅寸前の泡沫政党に突き落としたのと共通する思考だな。志位和夫が23年も委員長の座に居座り続けられる日本共産党も、党勢がじり貧になっている現状を見れば、やはり同じ思考なんだろう。

話を北朝鮮に戻すと、「娘の存在感が少しずつ高まりつつある」(2月26日、ソウル特派員・稲田清英)などと朝日は書き、異常なほどのワクワク感を醸し出している。「金正恩さまぁ~!」が普通にいる朝日からすれば、「地上の楽園」再びかもしれない。

朝日には残念なことかもしれないが「ジュエ」は後継者にはなり得ない。儒教国家の北朝鮮においては当たり前の考え方だ。ちょっと写っている写真を出したら韓国はおろか、朝日を始めとした日本のメディアまで騒いだので、良い「宣伝・工作」に使えるとなっただけのことだ。

さて、そんな北朝鮮で「ジュエ」狩りが行われているという。狩りと言っても名前狩り。米政府系のラジオ・フリー・アジアによると、定州市安全部が「ジュエ」という名前の女性を呼び出し改名を命じたという。また12歳の「ジュエ」の両親は安全部に呼び出され、改名と出生証(出生届)の取り換えを強いられたとのこと。

過去にも「キム・イルソン」(1974年)、「キム・ジョンイル」(1980年)、「キム・ジョンウン」(2011年)という最高指導者と同一名者は改名を強いられている。

これらからすれば「尊敬するお嬢さま」と同じ名前を持つ者が改名させられるのは当然のことと言える。後継者になるはずの第一子(長男)と同じ名前を持つ人も、今後改名させられることになる。

朝日はそんな国を「地上の楽園」と報じ、多くの人々を不幸のどん底に突き落とした。そんな責任を感じることもなく、朝日は今も親北朝鮮記者がろくでもない論評を書いている。典型的なのは論説委員・箱田哲也の「奇跡は奇跡的には起きない」(2018年7月13日の社説余滴)。(「朝日新聞・箱田哲也の甘ぁ~い北朝鮮分析」参照)

今回も先のソウル発「ジュエ」が登場する記事に箱田が反応していて笑ってしまった。もう中野晃ともども移り住んだらどうだ(苦笑)。中野晃は日本にも朝鮮戦争の責務があると書いたアホ。(「朝日新聞・中野晃の朝鮮戦争における日本の責任って?」参照)

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