2月から日の入り後の西の空に2つの惑星が明るく輝いている。金星と木星だ。木星は徐々に高度を下げ、金星は逆に高度を上げ、3月2日に最も接近した。

金星と木星の接近
3月2日の19時ころの金星(右)と木星(左)。デジカメではこれが限界だが、雰囲気は味わえたと思う。望遠鏡などでは、木星の衛星(エウロパ、ガニメデなど)が木星の左上あたりに見える(らしい)。

この時期の金星はマイナス4等と明るく、「宵の明星」としても知られる。金星は「内惑星」(地球より内側を回っている)のため、明け方の東の空か夕方の西の空でしか見ることができない。

金星は7月くらいまで宵の明星として見られ、その後8月中ころから見えなくなる(太陽と同じ方向に位置するので)。そして8月下旬からは「明けの明星」として、東の空に見えるようになる。

木星は現在マイナス2等程度で見やすい状況だ。木星は地球の外側を回る「外惑星」のため、多くの季節で一晩中見ることができる。夜中に明るく輝いているのは木星と思って、だいたい間違いではない。

ただ、金星と接近した後、木星は暫し見られなくなる。5月になると明け方に見られるようになるが、夜空に明るく輝く姿は7月以降となる。

もうしばらくの間、金星と木星を西の空に見ることができる。位置関係は金星が上で木星が下になる。また、お彼岸のころには、金星に月(細い三日月)が接近する(まだ木星も下の方に見える)。忘れなかったら西の空を見上げてみよう。

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