日本経済新聞が「日米同盟『日本の役割拡大を』49%、反対論を逆転」との見出しで、日米同盟や国際状況認識などに関する世論調査結果を報じた(1月24日。調査は2022年10月~11月)。

それによると、日米同盟における日本の果たすべき役割を「増やすべきだ」が49%で、「増やすべきでない」(46%)を初めて上回った。また「日本が他国から攻撃される不安を感じるか」との質問では「不安に感じる」が83%にも達し、「感じない」はわずか14%にとどまっている。

そして、その脅威を感じる相手は「ロシア」が90%、「中国」が89%、「北朝鮮」が87%となっている。

ロシアは現実にウクライナに侵攻しており、脅威に感じる相手として最も高くなったのは当然だろう。また、中国のあからさまな挑発行為(尖閣水域への侵入常態化や台湾への恫喝など)や北朝鮮のミサイルへの脅威(2022年には約70発発射)を考えれば、中国・北朝鮮に対しても同程度の人々が脅威に感じているのも当然と言える。

日米の役割を増やすべきが49%という数字は、まだまだ低いと感じる。日本の役割は「盾」に徹することで、「矛」は米軍との役割だなどとする論説では、国民の安全は守れない状況になっているのは明らかだ。

朝日新聞などの左翼紙や立憲民主党や共産党などの左翼政党は、相変わらず「敵基地攻撃能力なんてとんでもない」「防衛費の増額? とんでもない」と主張する。さらには言うに事欠いて「際限のない軍拡競争になる」「抑止力になるか疑問だ」などと、どこの国の新聞や政党なのか疑われるようなことを言っている。

最近の悪質な強盗事件を見聞きすれば、各種「防犯対策」をしようと考えるのが「普通」の判断だ。防犯カメラ、最新のカギや複数のカギ、足音のする防犯砂利などを考えるのではないか。当然これらの導入には費用も掛かる。しかし強盗犯(空き巣含む)に家への侵入を諦めさせる(躊躇させる)ためには必要経費だ。

朝日新聞も「防衛費を増やすなぁ!」「トマホーク? とんでもない!」と書く紙面で、「家の中に入らせない対策が重要」「在宅時も勝手口を含めた家全体の施錠が必要」などと、強盗対策を載せている(1月23日「相次ぐ強盗事件の被害から身を守るには」)。

「家の中に入らせない対策」をやろうとすれば、先に書いたように費用が掛かる。「在宅時も勝手口を含めた家全体の施錠が必要」との意識改革をするには、今までの常識を変えなければいけない場合もある。 

強盗犯への対策と安全保障は違うという意見は否定しないが、中国や北朝鮮のようなならず者国家を相手にするには、「米軍に守ってもらう」などとの従来通りの考えでは、国民の安全は守れないところまで来ていると認識すべきである。

日本が「憲法9条」を前面に出し、「戦争しない」と言っていれば日本の平和が保たれるという「一国平和主義」など幻想にもならない。日本は毅然とした態度を国際社会に示す必要がある。

現時点では、日本には憲法上の制約がある。それも踏まえ出来ることはやる。さらには必要なのにできないことがあるなら、憲法改正の議論をするなどは当然のことだ(実際に改正するかは国民の判断であり別問題)。

「日本が他国から攻撃される不安を感じる」が83%にも達しているのに、日本は「役割を増やすべきだ」との考えが49%しかないのは、かなり不思議な結果だと思う。

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