毎日新聞に「今井瑠々氏の団体、政治資金で不適切支出か セミナー参加費」との見出しの記事が載った(1月19日、Web版)。

内容は今井瑠々の関連政治団体が、2021年に気功や催眠療法などを取り入れたセミナーの参加費などを政治活動費として支出していたことが判明した(3万3,100円など)。専門家は「政治資金の使途として不適切」と指摘する、というもの。

「整体、気功とメンタルトレーニングを同時に行う事によりフィジカル&メンタルに同時にアプローチして、人の潜在能力を開発する」(ウェブサイト)との内容で、「政治活動に直接結びつく内容か疑問が残る」「税金が原資の政党交付金が、今井氏の個人的な支出に充当された可能性がある」と毎日は書く。

この記事を読む限りは、政治資金の使い方として不適切だと思われる。ただ、ここで書きたいのは今井の政治資金の使い方ではなく、毎日新聞の報道の意図だ。真意と言っても良い。

今井は2021年の衆院選に立憲民主党公認で出馬し落選、今年4月の統一地方選では自民党の推薦を得て県会議員選に立候補することを表明している。つまりは立民から自民へ乗り換えたわけだ。左翼紙の毎日からすれば「この裏切り者が!」といったところだろう。

ところで、毎日が「不適切」と批判する今井の政治資金は、立民所属時の2021年のものだ。2021年の政治資金収支報告書は2022年11月に公表されている。毎日は今井の報告書内容をいつチェックしたのだろうか? 今井が自民へ乗り換える前なのか後なのか。

今井が立民へ離党届を出した(郵送)のは1月7日、立民が今井を除籍処分にしたのは1月17日。毎日がこの記事をUPしたのは1月19日。ここから考えられる経緯は以下の2つだろう。

1つ目。毎日は今井の政治資金収支報告書を、今井の離党表明前に既にチェック済みで、セミナー支出などの不適切な部分を把握していたにもかかわらず、立民の人間なので記事にしなかった。しかし自民へ乗り換えたので記事化した。

2つ目。毎日は今井が立民を離党すると表明したことから、今井の政治資金収支報告書を急いでチェック。セミナー支出などの不適切な部分を把握したので記事化した。立民所属のままだったら、収支報告書などチェックもしなかった。

いずれにせよしろ、毎日の嫌らしさがプンプン出ている。毎日的には政治資金問題も「自民ならダメだけど、立民ならOK」だということ。特に記事化の経緯が1つ目の方だったら露骨だな(苦笑)。

そう言えば、福山哲郎が「ガールズバーでの飲食費」、小西洋之が「自著本の購入」を政治活動費として支出していたことを毎日が批判したとは聞いたことがない。2人は言わずと知れた立民議員(これらの支出時は民主党時代だが)。

こういう「偉大な大先輩」たちがろくでもない費用を政治活動費として支出しているのだから、今井が「気功や催眠療法などを取り入れたセミナー代」を載せたとしても責められないのでは。毎日などが立民議員をあらゆる面で「過保護」にしてきたからではないのか。

話が少し逸れたが、毎日は今井が立民所属のままだったら、この記事を書いただろうか?