ダイハツ工業は自動ブレーキなどで使うスマートアシスト用カメラが、フロントガラスから落ちる可能性があるとして、「ムーヴ」やトヨタにOEM供給している「パッソ」など6車種計19万2千台のリコールを国交省に届け出た(12月23日)。
まあ、自動車のリコールなど珍しいことではないので、普段なら気にもしないニュースだ(本来なら安全第一の自動車のリコールは由々しき問題なのだが、慣れっこになってしまっている)。しかし、このニュースのある部分に目が留まった。
「1千件超のクレームがあり」と記載されていた。と言うことは、19万2千台のうち、1000台以上が「脱落」したということ。つまりは故障率(不良率)が0.52%以上だ。これは製造業に関わる方(特に品質保証関係)なら分かってもらえると思うが、「異常」な数値だ。市場で%オーダーの不良率など考えられない。
一般的に製品の市場での不良率はppm(パーツ・パー・ミリオン)という単位で表わされるレベルだ。その名の通り100万個あたりの不良数を表わす(100万個に1個の不良で1ppm)。自動車という製品を考えれば尚更だ。
何万という部品からなる自動車は、それぞれの部品の不良率レベルを極限まで低下させないと、その組合わせである自動車としての不良率を下げることはできない。だから自動車メーカーは品質にうるさい。当然だ、人命がかかっている。
それなのにダイハツは%オーダーの不良率を認識しながら、当初は「改善対策」で済まそうとしていた。スマートアシスト用カメラを重要保安部品として認識していなかったからだろうが。
後になって「カメラが落下した状態において保安基準を満足しないおそれが認められたため」などと言い、今回のリコールとなった。呆れたものだ。前方視界を妨げるなどと言うが、それ以前にカメラが脱落したら「予防安全機構」(アシストブレーキなど)が機能しないではないか。甘い認識だ。
ダイハツのレベルなどこんなものだろう。オレは軽自動車の購入を考えていた際に、ダイハツの販売店で非常に嫌な思いをした経験がある。販売店を見ても分かるダイハツの低レベル(もちろん、ダイハツ工業と販売店は別会社だが)。奢り高ぶるトヨタの子会社だけのことはある(子会社化は2016年から)。
「リコール隠し」をしていた三菱自動車に比べれば多少はましだとも言えるが、そんなものは何の足しにもならない。三菱自動車は社会に存在してはいけない企業だから(リコール隠し以外にも、燃費データ不正もやっている)。
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