朝日新聞8月21日の記者解説「判決が突きつけた『万が一』の責任 東電株主代表訴訟判決から考える」は、朝日(記者)の「ご都合主義」「不都合な事実を見ない」特性丸出しの記事だ。筆者は編集委員・佐々木英輔。
原発事故をめぐる東電(旧経営陣)に対する株主代表訴訟判決を解説している。解説とは物は言い様だ。その内容は佐々木(と言うか朝日)がただただ喜んでいるだけだからだ。
東京地裁の判決は、東電の旧経営陣に対し13兆3,210億円を賠償するよう命じている。理由(要旨)は「巨大津波が予見できたのに対策を先送りし、取締役としての注意義務を怠って事故を招いた」というもの。「巨大津波が予見できた」という事実認定が、今後の上級審でどうなるかは微妙だと思うが。
判決は「(原発事故が)『万が一』にも起こらないようにする義務があるのに怠った」とも言っている。佐々木はこの「万が一」を記事のタイトルにし、原発に関しては「万が一」も許されないとしている。つまりは「万が一」にも対応出来るようにしておけ(対策しろ)と佐々木は言う。
反原発原理主義を貫く朝日からすれば「我が意を得たり」の判決だろう。しかし朝日が「万が一」のことを考えるなと言う分野が存在する。そう、安全保障(国防)に関することだ。
北朝鮮がミサイルを発射しまくっても「ミサイル防衛? とんでもない! 1発なら誤射かもしれない!」。中国が各地で海洋進出(力による現状変更)をやっているのに「護衛艦の改修? 空母化だ! とんでもない!」と大騒ぎ。
極めつけは、ロシアがウクライナを侵略する現実を目の当たりにしても「防衛費の増額? 中国さまを刺激するな!」。さらには「ミサイル防衛強化? 中国さま内陸部や北朝鮮に届いてしまうではないか、とんでもない!」。
国民の生命と財産を守る義務を負う政府が「万が一」を考える施策を提案すれば。「そんなことは必要ない!」と大反対する朝日。
中国・ロシア・北朝鮮の実情を考えれば、その対策は「万が一」の対応などといったレベルではなく、いつ「現実」になってもおかしくない話だ。それにもかかわらず、朝日は自分らにとって「不都合な事実」を見ようとしない。
朝日が「万が一」の原発事故判決を喜べば喜ぶほど、「万が一」の安保施策に反対する姿は「ご都合主義」あり、無責任のそしりを免れないだろう。しかし朝日は気にしない。それが朝日だから。
自分らの主張に合致した判決という「事実」に喜び「万が一の義務があるんだぁ~!」とは言うが、国際情勢(特に中国の横暴)という「不都合な事実」からは目を逸らし「万が一なんて考えるなぁ~!」と言う朝日。
余りにもおバカ過ぎて笑ってしまう。
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