朝日新聞が定期的に行う「中国批判のアリバイ作り」社説が8月7日に載った。「中国軍事演習 無責任な威嚇をやめよ」がそれ。

ペロシ米下院議長の訪台に抗議し、中国が台湾周辺区域で大規模な軍事演習を行っている(社説掲載当時は継続中)ことを批判している。なぜこれがアリバイ作りかと言うと、中身がスッカラカンだからだ。

この社説のダメなところは、中国の一方的な言い分を垂れ流しているだけなことだ。「結託する米国と台湾を震え上がらせるものだ」「事前の警告に耳を貸さなかった米台の側に非がある」「(日本は台湾問題に対し)とやかく言う資格はない」とか。

中国の言い分を「これでもか」と書いた後は、朝日のちょっとした批判もどきが出てくる。「過剰反応だ」「演習名目とは言え危険極まりない」。これって批判なの? 批判になってないだろう(苦笑)。

中国のミサイルが5発も日本のEEZ内に落下したにも関わらず、「日本も冷静な対応に努めるべき時だ」だって。さらには何の関係もない「台湾の植民地支配という過去が日本にある」とか書く。

そしてお決まりの「異論があるからこそ対話で意見をぶつけ(後略)」「日米はくり返し中国側に説き、強く自制を促したい」だって。

「話し合え!」と言っても、話し合う気のないヤツとどうすれば話し合えるのか? 一体いつまで同じことを言ってれば気が済むのか? 本来ならメディアは、こういう無法な中国を前提に「こうするべきだ」を論じなければならない。

しかし朝日はいつもその前の段階で終わってしまう。そして言うに事欠いて「はい! 日米も悪いです」に終始する姿は、惨めを通り越して滑稽の一言だ。

論説委員の箱田哲也は中国メディアのインタビューで「(一帯一路は)日中がWinWinの関係を築くためには有効なツールだ。期待している」なんて、嬉々として答えていた。

一帯一路を経済ツールと捉えているアホが論説委員をやっている朝日。スリランカの実情をどう考えているのだろうか? アジアと中東・アフリカを結ぶシーレーンの要衝を、中国はこともなく手に入れた(に等しい)。これからも世界中の「あちこち」で、同様の事例が発生するだろう。

箱田は朝鮮半島担当ということになっているが、国際社説に関係している論説委員だ。こんな「中国さまぁ~!」社説になるのはしょうがないのかもしれない。