異例の6月中の梅雨明けに伴い、連日の猛暑が続いている。そのため電力需給が逼迫し、政府が国民に節電を呼びかける事態となっている。それに併せ「節電ポイント」を付与するとかバカなことを言い出した。

だったら逼迫しないような政策を実行しろよ。稼働後40年以上経っている火力発電所をフル稼働させて急場をしのいでいるが、何の根本的解決にもならない。

6月30日未明に、東電の勿来火力発電所9号機がトラブルで停止。途端に電力需給が危うくなった。幸い何とか乗り切ることができたが、この先も同じようなことが起こる可能性が大きい。

政府がやるべきことは国民に節電を呼びかけることではなく、安定した電力を供給できるようエネルギー政策を実行することだ。実はこれは簡単なことだ。安全の確認されている原発を動かせばいいだけのこと。

岸田首相の何でも先送り、事なかれ主義的な発想はまったく国民のためにならない。何もしないのに支持率が高めで安定しているから、訳が分からない。

ところで朝日新聞は原発の運転期間の延長(40年超)に大反対の論調をしている。昨年(2021年)6月に関西電力が美浜原発3号機を再稼働させた際、「老朽化原発」と印象操作するような煽り見出しを用い大批判した。

原発は福島第一原発の事故以来、運転開始から40年とする「暗黙の了解」ができてしまったが、事故対策を強化した新規制基準に適合すれば、1度だけ最長20年間延長できることになっている。美浜3号機はそれに合格している。

安全性という科学的な判断材料で反論できない朝日は、「老朽化」という曖昧な感情論で印象操作記事を書くまくった。

そんな朝日は「老朽化火力発電所」についてまったく言及しない。「老朽化」した火力発電所の安全性は気にならないのか? 万々が一爆発でもしたら、大きな被害が出るぞ。いいのか朝日。

原発は「40年を超えて運転? どんでもない!」「安全性がぁ~!」と大騒ぎするのに、運転40年を超えた「老朽化火力発電」には「・・・」。しかも火力発電は、朝日がやはり大騒ぎしている「脱炭素」「CO2削減」に逆行する。

「老朽化火力発電所」のフル稼働は、安全性の面からも電力の安定供給の面からも、そしてCO2削減の面からもいいことはない。しかし朝日は何も言わない。分かりやすくて笑ってしまう。

なんとご都合主義なことか。まあ、朝日らしいと言えば朝日らしいが。