朝日新聞の5月3日(憲法記念日)の社説「揺らぐ世界秩序と憲法 今こそ平和主義を礎に」は、笑う以外にはない代物だ。それにしても、論説委員連中は「平和になぁ~れ」と願っていれば、平和になると信じている連中の集まりのようだ。
ロシアのウクライナ侵略に対し「独立国が武力で侵され、市民に対する残虐行為が行われている」、東アジアでも「北朝鮮が核・ミサイル開発を続け、中国は力による現状変更もいとわない」と、昨今の国際状況を捉えている。
さすがの朝日でも、現状の世界情勢をこう分析する。この現状分析を踏まえ、朝日はどうしろと言ってるか?
「日本国威憲法が掲げる平和主義を礎にした、粘り強い努力を重ねたい」。
さらには憲法前文(「われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思う」)を持ち出して、「日本一国の安全にとどまらず、国際平和の実現をめざすのが憲法の根本的な精神である」と書く。
つまりは、「憲法(日本国憲法)の精神を尊重」し、ロシアや北朝鮮・中国を相手に「粘り強い努力を重ねよ」と言うことらしい。
何言ってるの? 空理空論にすらなってない。朝日が考える日本の平和に対する「理念」を全世界の国・人々が理解し尊重してくれないと、朝日の言い分は通用しない。
社説内で多少具体的な内容を書いているとすれば「専守防衛に徹しろ」とした上で、「これまでの日本の抑制的な安保政策を一気に転換しようとする試みは容認できない」と続ける。結局は、朝日が言いたいのは、安全保障は具体的には何も変えるな。世界に日本国憲法の理念を広めよ、と言うことらしい。
ロシアの侵略、北朝鮮の核・ミサイル、中国のゴリ押しという分析を踏まえても、朝日は日本の安全保障は何も変えるな! 世界に日本国憲法の理念を広めよ! と言っている。
呆れるしかない。朝日が「憲法原理主義」「9条原理主義」だろうが構わないが、「憲法護って国滅ぶ」に付き合ってられない。それに、この内容(考え)で世界平和(含む日本の平和)が望めるなら、論説主幹の根本清樹はロシアを訪問し、プーチンに「憲法の理念」を説いてきたらどうだ? (北朝鮮や中国も)
まあ、この社説は朝日の「憲法改正は絶対に許さない」との意思表示と考えるのが適切なのだろう。それにしても、もう少しまともなロジックで論を展開できないものかね。
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