朝日新聞(デジタル)に「キエフ滞在の慶応大生、地下駐車場に避難して涙『一睡もしてません』」との記事が載った(2月25日)。署名は斉藤佑介。
内容はロシアの侵攻により戦争状態になっているウクライナの首都・キエフに滞在している慶大生(20歳、記事内では実名)の状況を伝えるもの。慶大生は「もう何が何だか分からず、辛いです。こんなに枯れた涙が流れたことはありません」と、キエフの地下駐車場に避難している様子などを話している。
朝日新聞によると、慶大生は今年1月末から留学しキエフで学び始めた矢先に戦火に巻き込まれたという。普通に考えれば「それは災難だったな。早く安全に退避し帰国できることを願う」となるのだろうが、実はちょっと違うのだ。
この慶大生はロシアのウクライナ侵攻前日に、わざわざポーランドからキエフに移動しているのだ。日本の外務省がウクライナ全土の危険情報をレベル4に引き上げてた上で退避勧告をした後のことだ。
実はこの慶大生は移動前に「今日から荷物を全て移し、これから再び異国の地のキエフで死なない程度に挑戦を続けます」とツイートしているのだ(すでに削除)。つまりは確信犯(本来の意味ではなく通俗的な意味での)。
慶大生がキエフに移動した意図は不明だが(特定の意図を持っていたと考えるのが普通)、朝日が印象操作するような「悲劇の留学生」ではない。
筆者の斉藤佑介は社会部の記者だ。国際報道部でもなければモスクワ支局などの海外支局の記者でもない。ではなぜキエフに滞在している慶大生の記事が書けたかと言うと、慶大生のSNSを見つけアプローチした結果なのだ。
一般人のSNSにアプローチし取材協力をお願いし、その内容を記事にするもの。記者が自ら取材することなく、安易に(言い換えれば楽をして)記事化できるので、最近非常に多くなっている。
慶大生のSNSを見つけ、安易に取材依頼したら「OK」が出たので、そのまま記事化したと思われる。この手法は当人の言い分を信用するしかない。つまり当人の一方的な言い分に依存することから、非常に危険な手法だと個人的には思っている。今回のように事情の分からない海外のこととなると尚更だ。
この慶大生は自ら戦争直前のキエフに行き、戦闘が始まったら直ぐに「辛いです。こんなに枯れた涙が流れたことはありません」などと臆面もなくツイートするような人物だ。斉藤はこの慶大生が、自らの意思で戦争直前のキエフに行ったことを知っていたのだろうか?
知らないで記事化したのなら、慶大生の思惑に利用されたということ。しかし知っていてこういう記事にしたのだとするなら、悪質な印象操作でありミスリードだ。捏造と言ってもいいだろう。
斉藤は慶大生がキエフにいつから居るのかを明確に書いていない。非常に曖昧に書いていることから考えると・・・だが。まあ知ってか知らでか、いずれにせよバカ丸出しだしで記者失格だ!
SNS上ではこの慶大生の行動がすでに批判されている。慶大生も「私の軽率な行動によりご迷惑をおかけした大学関係者、外務省、大使館の皆様、並びに不快な思いをされた方々には心から謝罪いたします。大変申し訳ありませんでした。今後このようなことがないよう深く反省し、然るべき対応をいたします」と、謝罪ツイートをしている(2月26日)。
記事の翌日には、慶大生はこのような謝罪をしなければいけないほど批判されていたのだ(慶大生はもちろんすでにキエフを離れている)。
慶大生が言う「然るべき対応」が何を指しているのか分からないが、斉藤及び朝日も「然るべき対応」をとる必要があるだろう。ところが3月1日現在知らんぷりだ。
「慰安婦捏造」を30年以上知らんぷりし、「100円ラーメン捏造」は現在も「知らんぷり」を続け30年以上経った。これらを考えれば、お得意の何もしない「知らんぷり作戦」でやり過ごすのだろう(苦笑)。
(100円ラーメン捏造は「朝日新聞の『100円ラーメン』捏造記事」参照)
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