今春の選抜高校野球の東海地区選考において、東海大会準優勝の聖隷クリストファー(静岡)ではなく、ベスト4の大垣日大(岐阜)が選ばれたことが物議を醸している。

選考委員は「意見は賛否両論ありしていた。ただ、簡潔に言えば投打に大垣日大が勝った(まさった)ということです」「特に投手力で差があった。春の選抜大会では失点の多いチームは厳しい」と、大垣日大のプラス面を強調。

そして「優勝が静岡の日大三島で、同一県からの選出を避ける配慮が働いたわけではない。甲子園で勝てる可能性の高いチームを選んでいます」だそうだ。

突っ込みどころ満載の理由だ(苦笑)。

建前論とは思いつつも、部活動である高校野球(つまりは教育の一環)に「勝利至上主義」を持ち込んでいる。それに野球はチーム競技なのに、選手個々の力量を過剰に判断材料にしている。

だいたい「甲子園で勝てる可能性の高いチームを選んでいます」というのなら、なんで「21世紀枠」があるのか? 21世紀枠の選考基準には「地域への貢献」なんて野球の実力以外の要素も選考条件に加えられている。

それに現在の地区別選抜数は、その地区の加盟高校数に対してアンバランスなのは周知である。関西、中国・四国優遇、関東・東京、東海冷遇になっている。最近流行りの「機会均等」すらできていない。

このようにいろいろな矛盾を抱える選考だが、これはある意味当然のことなのだ。夏の大会が朝日新聞のカネ儲けと拡販のために存在しているのと同様、春の選抜は毎日新聞のカネ儲けと拡販のために存在している(主催はいづれも日本高野連との共催)。

夏の大会は世間がなんと言おうが、真夏のあの時期にやるのは朝日新聞の都合。やはり同様に毎日新聞の都合で出場校を選ぶのが春の選抜。当事者(野球部員)に哀しいことだが、これが現実。

だから静岡から2校なんてとんでもないとなる。東海地区と言えば愛知・三重・岐阜なのだ(東海三県という言葉が普通に使われている)。優勝校は外せないので、2校目は東海三県から選ぶのが毎日新聞の拡販のためには当然のことになる。

まあそんなことは理由としては言えないので、つまらないことを言ったら余計に波紋を呼んでしまったということ。

聖隷クリストファーの野球部員には夏の大会頑張ってとしか言うことはない。また、大垣日大の部員たちはいろいろ言われると思うが、こちらも頑張ってとしか言えない。

毎日・朝日が高校生を使って商売している限り、これからもいろいろ起こるだろう。でも、残念ながら新聞社に紐付けされている内はしょうがない。他の高校スポーツのように高体連加盟競技にするとかしないとね。