朝日新聞は中国のウイグル族など少数民族への人権侵害など興味がない。日ごろの「人権がぁ~!」など、どこに行ったのか不思議なくらいだ。そんな朝日新聞に「中国の人権 なぜ出国を認めぬのか」という社説が載った(1月24日)。
ウイグル族などへの人権侵害のことだとしたら変なタイトルだなと思ったが、案の定まったく関係のない内容だった。中国の活動家(朝日は人権派の元弁護士と民主活動家と書く)の人権問題の話だった。
元弁護士は娘が日本で入院中、活動家は妻が米国でがんと判明。いずれも出国が許されず、元弁護士は行方不明(当局に拘束されているらしい)、活動家の妻は米国で死去した。朝日は言う「そこまで市民の権利と自由を踏みにじるのか。暮らしを縛り、人々の言葉を奪おうとする。そんな理不尽な行為がこれ以上許されてはならない」。
中国国民個々の人権問題を否定する気はまったくないが、現時点での中国の大きな人権問題は少数民族への迫害ではないのか。他国の報道機関では「ジェノサイド(大量虐殺)」と報じているところもあるのに。
朝日は少数民族への人権侵害(迫害)よりも、反体制活動家の人権の方が重要だと考えているのだろうか? 朝日のスタンスをよ良く表わしている。活動家仲間だからだろう(苦笑)。
朝日も大好きな国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは、中国政府が人道に対する罪を犯しているとする報告書を公表している(2021年)。その中で、ウイグル族やカザフ族などイスラム教徒の少数民族に対し集団拘束や監視・拷問をしていたとする。
朝日がなぜこの時期に中国活動家の人権問題を持ち出したのか考えると、アリバイ作りとしか思えない。2月4日から北京で冬季五輪が開催される。米国を中心に少数民族への迫害を理由に「外交的ボイコット」などのプレッシャーを中国にかけている(日本政府の弱腰は論外だが)。
朝日は「うちも中国の人権問題を批判してるんだよ」と言いたいだけ。社説中に出てくる活動家の人権を軽んじる気はもうとうないが、「ジェノサイド」とはレベルが違う。
朝日は中国さまに目を付けられない程度の上部(うわべ)の人権批判でお茶を濁したと言うこと。これで形ばかりの中国人権批判もしたので、後は北京冬季五輪を思いっきり持上げるぞってこと。早速、編集局長補佐だという野沢哲也は「北京五輪まであと1週間」「あと4日」と、待ちきれないとばかりウキウキツイートしている。
呆れるばかりだ。
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