文春オンラインに「『脱出島』王者・あばれる君のイカダは船が引っ張っていた!」という記事が載った。(「文春オンライン」参照)
TBSで放送されている「アイ・アム冒険少年」中の人気企画「脱出島」の「やらせ演出」を暴いたものだ。発端は内部のスタッフからの告発(労働環境や時間に対して)らしいが、現地取材であばれる君の脱出に関し、数多くの「やらせ」を報じている。しかも写真や動画ありで、TBSは苦しい言い訳をしているが・・・。
オレも「冒険少年」を時たま観るが、いつも脱出島をやっているわけではないので「脱出島」は数回観た事がある程度。記憶にあるのは、あばれる君、フワちゃん、EXIT、ジャニーズのメンバーなどが出ていた。天竺鼠の瀬下が出ていた回は、瀬下が大嫌いなので観ないで消した。
オレは基本的にTV番組をオンタイムでは観ないで、録画して後で観る。TVの放送時間に自分の生活時間を合わせる必要はないので。それに、つまらなければすぐ消せるし早送りもできる。コマーシャルも飛ばせる。とにかく時間をムダにしなくていい。
話が逸れたが、文春が取材した1月3日放送分も観た。実は「あれっ」って思ったシーンがあった。いつも「ながら観」なので細かいシチュエーションは曖昧なところもあるが。
無人島であばれる君とハリセンボンが出逢うとボートに引かれるゲームになり、あばれる君が負けたシーン。引かれるゴムボート上で、あばれる君がおかしな動きをしたなと思ったら、海にドボンと落ちていった。これであばれる君はナイフを奪われ「手作り釘ナイフ」を作ることになる。
文春はスタッフが五寸釘からナイフを事前に作っているところを目撃している。TBSは文春の質問に対し「安全確認などのため、シミュレーションとして行なったもので、現地には持ち込んでいません。放送では、出演者自ら作成しています」と回答。
なぜあばれる君が釘ナイフを必要とする状況になったのか? ゲームに負けたからなのだが、TBSの回答では事前に必要になるのが分かっていたかのようなものだ。
最初からの演出で、ゲームに負け持参のナイフを失う → 釘ナイフを作る、というストーリーができていたということ。だからあばれる君は不自然にボートから落ちたということ(これはオレの推定)。
自分の観た放送と文春の取材を合わせると、上記のようなやらせ演出の流れも見えてきた。
観るたびに思っていたのは、いつも都合良く大きな発泡スチロールの浮きや一斗缶が落ちているなあ。演者が運んで来るのは廃材のような流木だが、実際のイカダはきれいで立派な竹で作られているなあとか。まあ、それなりの「演出」が成されているんだろうと思いながら観ていたけど。
文春の取材では、資材や道具を島外から大量に持ち込んでいたり、スタッフがイカダを作っていたり、船でイカダを牽引していたりと、「やらせ演出」は明らかだ。
とは言え、バラエティ番組の「演出」と「やらせ」の境界は難しい面がある。また、「やらせ演出」はどこまで許容されるかも難しい。これらが一切ダメだとなると、エンタメ性が低下する恐れもある。
だからと言って今回のようなものまで許容してしまうと、何でもありで歯止めが効かなくなる。あまりにも非現実的な無人島からの脱出を作り上げすぎたと言える。
報道機関を自称する朝日新聞の「捏造」と同一視する気はないが、TBSは公共の電波を使っているという自覚は最低限持たないといけないのではないか? もちろんバラエティと報道や情報は別物だが、こういうことを許す社風のなれの果てが、一部番組で行われているあまりにも偏った番組作りではないのか?
最後に、あばれる君は番組の演出に従っただけなので何も悪くはない。ただ、この番組(つまりは「やらせ」)によって人気が多少上がっていることを、自身はどう考えてるのだろうか?
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