日本の新型コロナの感染者も現在は非常に低い水準で推移している。世界的に見るとアメリカやドイツ・イギリスでは数万人が感染しており(1日当たり)、それが他国へ波及しないことを願うばかりだ。

根本的な押さえ込み策の一環として、早くウイルスのルーツ(宿主)を明確にし、人から人への感染が発生した経緯を明らかにする必要がある。ところが、現時点ではまったく進んでいない。最初の感染国(発生国)である中国の隠蔽体質や協力拒否の姿勢が、その大きな理由だろう。

例えば2002年11月から感染が拡大したSARSは、翌年4月にはゲノム解析が終わり、8月には「コウモリ→ハクビシン→人」の感染ルートが明らかになっている。同様に2012年のMERSも翌年7月のゲノム解析が終わり、その後すぐに「ヒトコブラクダを宿主とするウイルス」と特定されている。

ところが今回の新型コロナでは1ヶ月弱でゲノム解析が終了したにもかかわらず、最も重要なウイルスの起源(宿主)はおろか、感染ルートさえ判明していない。

現時点では感染対策としてマスクの着用や手洗いが有効とされている。多くの人が実践しているだろう。これは、新型コロナウイルスが「飛沫感染」と「接触感染」により移るとされているからだ。

多分間違っていないのだろうが、より確実にした上で根本対策を行うためには、ウイルスの起源と感染ルートの解明は必要不可欠だ。ひと頃は中国雲南省の洞窟に住むキクガシラコウモリが宿主ではないかとか、センザンコウが中間宿主として人間に感染したとか言われた。にもかかわらず、調査が進んでいないのはなぜなのか?

そのため人工的なウイルスではないのか? つまりは中国・武漢のウイルス研究所から流出したのではないか? との説がくすぶりつづける原因となっている。さらには「コウモリ女」の異名をとる女性研究者が「ネイチャー」に投稿した論文内にウソを書いたことで、より一層疑われる結果となっている。

論文ではキクガシラコウモリから採取したウイルスの遺伝子配列が、2020年1月の確認で96.2%一致したとしていたが、実はウイルスは2012~13年には採取され、遺伝子配列が確認されたのは2018年であったことがバレたのだ。

これにより、中国が2012年に発見したウイルスを人工的に加工したのが新型コロナウイルスでは? との疑惑を招く結果となっている。そして、このウイルスが何らかの原因で研究所から流出、武漢で大感染したのでは? と。

ウイルスの根源がなかなか明らかにならないから、こういう陰謀論的な説がそれなりの信憑性を持って流布される結果となっている。中国は率先して各種研究にデータを提供し協力することが、こういう説を否定することにもなるはずなのだが、まったく逆の態度を取る。

別に武漢研究所流出説を信じているわけでも支持しているわけではないが、日本ではこの手の情報がほとんど入ってこないことには不満が募る。

新型コロナの感染拡大から早2年。日本のマスコミは「今日の東京都の感染者は◯◯人でした」なんて報道を毎日繰り返している。低く推移している今こそ、こういう起源や感染ルートの解明に繋がる取材報道を行うべきではないのか?

まあそんな実力はないし、中国には忖度しまくりだから無理かな。

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