10月31日に投開票された衆議院選は、自民党が単独過半数を大きく超え、261議席の「絶対安定多数」(すべ全ての常任委で委員長ポストを確保し、さらに過半数の委員も得られる)まで獲得した。また、立憲民主党は共産党やれいわ、社民との極左連合が国民から真っ向否定される結果(13減の96議席)となった。

衆議院選 朝日新聞 (1)
衆議院選 朝日新聞 (2)
朝日新聞11月1日(衆議院選翌日)の朝刊1面。「自民伸びず 過半数は維持」の大見出し。2面でも「自民 苦い再出発」「首相 笑顔なく 『信任された』」。

これだけ見ると、自民党は公示前の276議席から大きく減らし、過半数ギリギリの235議席くらいで、40議席以上減ったかと錯覚するような紙面となっている。

確かに投開票前までは、各紙ともそれくらいの予想をしていたのは事実だ。しかし自民党が261議席を獲得(減少幅は15議席)という現状が受け入れらない朝日は、意地でも自民党が勝ったとのニュアンスで報道をしたくなかったのだろう。それがこのような無様な紙面作りになっていると考える他はない。

こういうのを世間では「悪質印象操作」という。まあ朝日の得意技だけどね。

議席を減らしたのだから「伸びず」が正しいとの意見もあるかと思うが、朝日は10月25日の紙面で衆議院選の予想を行っている。それは「自民は公示前の276議席より減る公算が大きいものの、単独で過半数(233議席)を大きく上回る勢い」と報じていた。

それを考えれば、「伸びず」との表現は適切とは言えないだろう。朝日が270議席を予測していたのなら「伸びず」でもいいけど。でもそうだとしたら、予想の精度が悪いという別の問題が生じるけど。

衆議院選 朝日新聞 (3)
ところが立憲民主党に関しては、たかが109議席しかない野党第1党なのに、さらに減らして96議席。見出しは「共闘 残る課題」「立憲、選挙区9増のみ 重鎮苦戦」。これらから受ける印象は「増え幅は小さいけど増えた」。実際は13議席も減らしているのに(苦笑)。

衆議院選 朝日新聞 (4)
さらに、なぜか共産党に関してはまるで勝ったかのような見出し。「共産、協力で存在感」。立民との選挙協力で、候補者を降ろし一本化に協力した「功績」を朝日は言ってるのだろう。

しかし共産は12議席から10議席に減らしている。朝日は記事中では「公示前勢力の維持は微妙だ」と、議席が減る可能性を示唆している。それなのに「存在感」って何? 政治部に熱烈な共産信者、と言うより共産党員がいるからだろう。

衆議院選結果
全体的に「自民党が勝った」との要旨でオレは書いている。異論もあるだろうが、ひとつの例えを。

野球の試合で15対5で勝ったら「大勝」と呼べる。では13対3だったらどうだろう? 前の試合から得点は減ったが、相手の得点も減らしている。結論は、やはり「大勝」と呼んでいいだろう。これと同じだ。

確かに自民は276議席からは15議席減って261議席だった。しかし261議席という実数は「絶対安定多数」である。これで「大勝」でなかったらハードルが高すぎだ。相手方の立民が109議席から96議席に減ったことも考え合わせれば、なおさら「大勝」だろう。

朝日のように「(自民党が公示前の議席を減らしたのは)政治に緊張感を求める民意の表れとみるべきだ」(11月1日の社説から)が、いかに現実から目を逸らしているか。単独で「絶対安定多数」を獲得した政党が、前回から議席を減らしたからといって「負けた」論調は、どう考えてもおかしな言い分だ。

選挙結果というストレートニュースを、いかに自社思想に合わせて印象操作するか? 今回の報道で朝日が一番苦労したところだろう。しかし、これって新聞というメディアの役割を放棄しており、自ら左翼のプロパガンダ紙であることを有言しているだけのこと。本当にバカな連中だ。