朝日新聞(デジタル)に立憲民主党代表・枝野幸男の福島県伊達市での街頭演説要旨が載っていた。

福島第一原発の処理水を海洋放出する決定に対し「地域のみなさんにろくな説明をしないで一方的に上から放出する。こういうやり方はダメだ」「地域のみなさんの声を聞いて、丁寧に説明して、一定の理解を得られたときに初めて可能なことだ」。

そして、「政権を託していただければ、必ずこれをいったんストップさせて、もう一回、一から、地域のみなさん、水産業のみなさんに現状について説明して、どうしましょうか、というプロセスを踏んでいきたい」。

さすが、何でも反対政党の党首だ。何の対案もない。そして、やることは「一旦ストップして、考えましょう」。考えてもいいけど、「どうする」とのたたき台がなければ結論は出ないだろう。何も決められない旧民主党政権と同じ事をすると言ってるに等しい。さすが残党だ。

科学的データやIAEA(国際原子力機関)の提言、他国原発の状況などを総合敵に判断した現政権の施策を変えるなら、それなりの論拠・データが必要なのは当たり前。感情の問題もあるが、それを煽ってきたのは朝日新聞などと一緒になって政府批判に使ってきた自分らではないか。

立民の顔ぶれは旧民主党左派の連中である。思い起こせば、鳩山内閣での沖縄・普天間基地移設問題、八ッ場ダム問題はどうだ?

いずれも「一旦ストップして」とか言って、計画をひっくり返したにもかかわらず、結局同じ結論(普天間基地は辺野古へ移設、八ッ場ダムは建設)に至ったバカさ加減。それだけでなく、普天間移設では日米同盟をぐちゃぐちゃにし、八ッ場ダム問題では地域住民に無用に不安を与えただけだった。

また、同じことをしようとしている。いや、実はしようとしてないから、ああいう無責任なことが言えるのだ。

立民は衆議院選の公約のひとつに「脱原発」を掲げる。何を今さら言ってるのか? なぜなら枝野は野田内閣の原発を所管する経産大臣だった。旧民主党は政治主導を掲げていた。だったら大臣が先頭になって、脱原発(原発ゼロ)に舵を切ればよかったではないか?

それなのに枝野は経産相在任中、大飯原発3、4号機の再稼働を容認している(もちろん、最終判断は野田首相(当時)だが)。これは東日本大震災からわずか1年3月後(2012年6月)のことだ。

責任ある立場と批判だけしていれば良い立場は大きく違う。批判で飯が喰えるなら、その方が楽だ。これが枝野が選んだ道。目指せ旧社会党と言ったところか(苦笑)。

同じ朝日新聞(デジタル)内に世論調査結果が出ていた。立民の支持率は7%、比例区の投票先では13%。岸田首相と枝野党首ではどちらがふさわしいかは、枝野14%(岸田首相は54%)。朝日新聞は新任の首相は高く出がちと枝野をかばっていたけど(苦笑)。

こんな立民でも、今回の衆議院選では数が増えそうだ。これはまったく日本のためにはらない。強い与党(1党もしくは連立)の安定政権が良いのか、政権交代可能な2党が競い合うのが良いのかは、人それぞれだろう。もちろん他の政治形態でも。

しかし「何でも反対政党」が政権など取れるわけもない。そんな政党が、それなりの数をもって存在することは、日本の不幸である。国家観など何もない連中が、目立つこと最優先でパフォーマンスに明け暮れる愚を繰り返されてはたまらない。

関連
 「立憲民主党・枝野幸男の本音
 「立憲民主党の支持率が上がらないのは当然だ!
他、多数。