朝日新聞9月24日の社説「総裁選と原発 現実踏まえた政策論を」には呆れるとともに、「相変わらず印象操作してんなぁ」の感想。
タイトルの通り、自民党総裁選候補者の原子力政策について「いちゃもん」を付け「貶している」社説だ。まあ、朝日が現実味のない太陽光推しなのは、よく知られている。この社説に限らず、紙面で「原発は即やめろ! 今後は太陽光などの再エネだぁ~!」と威勢の良い論調をよく見かける。
しかし太陽光などの再生可能エネはサポート電源にはなり得ても、決してメイン電源にはならないのだ。朝日が何を喚こうがだ。
(詳細は「朝日新聞の「再生可能エネルギーがぁ~!」を笑う」参照)
そして、どうにか反原発の流れを加速させたいがため、社説内に悪質な印象操作をぶち込むのは忘れない。「核兵器の材料になるプルトニウムを持ち続けるのは、世界に不安を与えるだけだ」と書く。「プルトニウム=核兵器の材料」って、何となくそれっぽい。
本当? いや、まったくのデタラメだ。
日本の商用原発はすべて「軽水炉型」だ。使用済み燃料には確かにプルトニウムが含まれる。しかし、このプルトニウムを再処理して得られる原子炉級プルト二ウムには核兵器の材料になり得る239Puは約60%程度しか含まれない。
そのため核兵器の材料とするには239Puが約93%以上になるように、同位体を分離し精製する必要がある。しかしこれは技術面・コスト面とも極めて困難であり、核兵器の製造は実質的に不可能とされている。
原発から出る使用済み核燃料としてのプルトニウム自体は処理が必要となるので、核燃料サイクルやプルサーマルで再利用しようと技術開発が進んできた。これにも朝日はイチャモンをつけているが。
少し話が逸れるが、北朝鮮の核開発が国際問題となった際に、軽水炉型原発の技術供与を妥協点として米国などが提案したのは、原発を装った核開発を行えない(繋がらない)からだ。ちなみにインドが核兵器開発に結びつけ、イランも行っていると噂されているのは「重水炉型」である。
朝日の論説委員連中も、多分こんなことは百も承知だろう。逆に知らなかったら記者失格だ。それなのに「(原発からの)プルトニウム=核兵器の材料」などと書く。悪質な印象操作以外の何物でもない。
軽水炉から出るプルトニウムも手間暇かければ核兵器の材料になり得る(精製可能)ではないかと朝日は言いそうだが、そんなものは屁理屈にもならない。
例えば、一般家庭には必ずと言っていいほど「包丁」がある(だろう)。これを「重大事件の凶器になる包丁を持ち続けるのは、隣家に不安を与えるだけだ」と書いたらどうだろう。「アホかっ!」と言われるだけ。まさにこういうことを朝日は言っているのだ。
朝日は過去から反原発のためにはウソを平気で書いてきた。その代表格が竹内敬二(退職、当時編集委員)だ。現在も科学技術担当の論説委員である村山知博は、科学技術やデータ抜きの感情論でしか記事を書けない低レベルなヤツだ。
それにしても、朝日がいかにクズ紙かをよく示す社説だ。
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