菅首相が自民党総裁選に不出馬を表明、実質上の首相退任となる。朝日新聞は「新型コロナ対応で国民の信を失い、党内の支持も得られなくなった末の退陣である。(中略)国民の命と暮らしを守る役割を途中で投げ出す菅首相の責任は極めて重い」(9月4日の社説)と批判している。
これだけ感染者数も死者数も少ない日本で、なぜコロナ対策が評価されていないのか? それはメディアの報じ方によるところが大きい。あれだけ不安を煽り恐怖心を植え付けるような報じ方をすれば、誰でもコロナを恐れる。しかもコロナ対策として効果のある施策は報じない(もしくは軽く扱い)のだからどうしようもない。
菅政権のコロナ対策の一番の成果はワクチン接種の本格化だろう。朝日などの左派系メディア、立憲民主党が「PCR検査を増やせ!」と進歩のない主張をしていた中、4月の訪米時にはファイザー社のトップと直談判して1億本のワクチンを確保している。そして大規模接種センターの設置へと繋がって行く。
このとき立民は「国が直接乗り出すならば、むしろ検査の拡大に乗り出すべき」「菅首相はワクチン頼みだ。ワクチン頼みでない抑え込みに舵を切らないとだめだ」(枝野幸男)と、相変わらずPCR検査の拡大を訴えていた。
これがいかにトンチンカンな批判であったかは、ワクチン接種者からの死者・重症者が激減したことからも分かる。デルタ株などが急速に蔓延している現在、もし立民政権だったらと思うとゾッとする。
朝日もPCR原理主義のように「PCR検査がぁ~!」と書いていた。編集委員・原真人はPCR検査数が少ないのは「政府の機能不全、政治の失敗だ」などと、バカなことを書いていた。(「朝日新聞・原真人の『PCR検査がぁ~!』って何周遅れてるんだ」参照)
そう言えば、世田谷区の極左区長が行っていた「世田谷モデル」がひっそりと終了するが、朝日は何か言うことはないのか? 「世田谷モデルが注目を集めています」なんて書いてから、すっかり音沙汰ないが(苦笑)。
そして、ワクチン接種が効果を出し始めると、今度は「遅い」と批判を始めた。恥を知らない朝日や立民などだ。責任を取らなくて済む、口先だけの連中は好き勝手だな。
しかし、お隣の韓国を見れば明らかだが、韓国は米国から55万本しか確保できなかったが、菅首相は1億本を当時すでに確保していた。大違いだ。また接種を軌道に乗せるため、協力を拒んでいた医師会に代わり歯科医師会に協力を仰ぎ「超法規的措置」を打ち出したことで、医師会側は協力せざるを得なくなった。
こういうことをは朝日は報じない。
朝日や立民が「PCR検査だぁ!」と周回遅れのことを叫んでいたころ、大量のワクチン入手に成功し接種の打ち手を確保したからこそ、1日100万回以上の接種が可能となり、4月中旬から9月上旬までの上昇では世界で5位だ。まもなく米国と同程度となり、9月末頃には欧州と同じ水準になるだろう。
先にも書いたが「国が直接乗り出すならば、むしろ検査の拡大に乗り出すべき」「ワクチン頼みでない抑え込みに舵を切らないとだめだ」とか言っていた立民が、口だけ野党で本当に良かったと思う。
もちろん、菅首相のコロナ対策が満点だとは思わない。特に緊急事態宣言の発出などに、世論という名のメディアの思惑に乗せられたのは残念なことであった。世論が細かいコロナ状況など分かるはずもなく、ある特定の意図を持ったメディアの論調に流されているのは明らかだからだ。
決して新型コロナを軽く見ているつもりはないが、余りにもメディアに足を引っ張られた菅政権だった言えるだろう。
コロナ禍という危機時でも、政治的思惑で報道する朝日を始めとしたメディアには恐ろしさを感じる。そして「功罪」の「功」を報じず「罪」(と言うほどではないが)しか報じないのだから、誰が首相であっても世論の支持は得られなかったであろう。
朝日などの左派系メディアが扇動的な記事で世論を煽り、テレ朝やTBSの愚にもつかないワイドショーが前から後ろからサポートする。世も末だな。
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