朝日新聞9月8日の社説「『慰安婦』30年 被害者の救済が原点だ」は、相変わらずの酷いもので呆れるしかない。朝日の論説委員連中は、本当に恥という言葉を知らないらしい。

今どき何で「慰安婦」社説なのかと思ったら、金学順が名乗り出てから30年経つという。だから? という感想しかないのだが、朝日は自社の「誤報」の禊ぎが済んだと考えているのだろうか?

植村隆が金学順のことを「挺身隊として連行された」と書いた捏造記事を、身内を集めた第三者委員会が捏造と認めなかったことをいいことに、未だに頬被りしている朝日。編集委員・北野隆一著「朝日新聞の慰安婦報道と裁判」(2020年)の中で、「挺身隊と慰安婦を語句として間違えただけ」などと擁護している。どうやら、これが朝日の共通認識になっているようだ。

ふざけるな!

植村はなぜ本人に取材もしないで記事を書いた? その後に金学順が語った「母親にキーセンに売られた」「養父に(慰安所に)連れて行かれた」を、なぜ報じなかった? 「連行された」は正しい使い方なのか?

それに、社説内で連発している「被害者」という言葉。金学順も被害者だと言う。では「加害者」は誰なのか? 姑息な朝日は明確に書かない。読者に加害者は「日本や旧日本軍、その関係者」と誤認させるためだろう。

例えば金学順の場合、あえて加害者を言うなら「母親と養父」だ。金学順が自分の意思で慰安婦になった訳ではないだろうが、決して日本の関係者が関与しているわけではない。

当時の貧しい生活水準の中、意に沿わない年季奉公に出された人は日本にも多かった。行き先が各種問屋か吉原の違いはあっても、みな同じ境遇だ。それが旧日本軍相手の慰安所だったとしてもだ。

金学順以外の慰安婦を自称する人物らも同様だ。中には旧日本軍の慰安婦ではなく、朝鮮戦争時の国連軍(実質は米軍)相手の慰安婦も混じっている。明らかな記憶の混同をしている人もいる。

金学順や慰安婦を名乗る人たちに同情の念は禁じ得ないが、だからと言って「被害者」と言うのはまったくもっておかしいことだ。金学順が被害者なら「おしん」も被害者になる(NHKの朝ドラ主人公)。先にも書いたように、行き先が慰安所か材木問屋かの違いだけだ。

朝日はタイトルにも書いているように「被害者の救済」を訴える。しかし、上記のような背景・いきさつを省いたとしても、既に解決済みの問題である。この問題を終わらせたくない韓国の内政問題になって久しい。

朝日が金学順ら慰安婦を「被害者」と言い、その救済が必要と言うなら韓国政府に言えと言いたい。

最後に、社説内で朝日は慰安婦問題は「女性の人権問題」だと書く。しかし朝日が慰安婦で反日キャンペーンを始めた当初は「強制連行」があったと主張していた。それがウソだとばれると「広義の強制性」を言い出した。これもウソだとバレた後に使い出したのが「女性の人権問題」だ。

「強制連行」は詐話師・吉田清治にすべて押しつけ、朝日は「被害者」の振りをし、当該記事を「誤報」と強弁した。しかし「誤報」として取り消したのは吉田清治の直接の記事だけで、吉田の話を事実前提で書いた与太記事は今も一切取り消していない。

さらには第三者委員に林香里を選び、その林に「朝日の報道は国際的に影響がなかった」と強弁させ、自らの悪事の免罪を図った。そんな林は論功行賞から、現在は朝日の執筆陣(論壇時評)のひとりとして囲われている(今年3月までは津田大介も執筆していた気持ち悪いコラムだ)。

こんな朝日が「慰安婦は被害者だぁ!」「日本にも責任があるだろう!」「救済しろぉ!」と未だに騒いでいる。恥を知らない人間は、本当に恥ずかしい、という見本のような連中だ。

関連
 「朝日新聞記者の慰安婦捏造に関する認識はこの程度
 「朝日新聞の反省なき慰安婦社説
など多数。