以前、東京五輪の閉幕に思う国内の「オールド左翼」について考えてみた。同じ構図で思い浮かんだのが、お隣りの韓国のこと。大きなお世話だけど。
(「東京五輪の閉幕に思う『オールド左翼』のこと」参照)
韓国は現在左翼とされる文在寅政権だ。韓国は東京五輪で金6個、銀4個、銅10個の合計20個のメダルを獲得した。最近の韓国の成績では悪い方だ。特にお家芸のテコンドーで、初めて金メダルなしに終わったのは象徴的な出来事だ。理由は簡単である。
五輪=国威発揚・ナショナリズムの高揚=右翼・保守の台頭
これは日本の古い左翼に共通する考えであるが、文の施策を見ると同様に考えている節が見受けられる。この等号からすれば、スポーツ力向上は自分らの立場を危うくすると考える。しかし韓国はそう単純ではない。韓国にはもうひとつの等号が存在するからだ。
反日施策=国威発揚・ナショナリズムの高揚=国民の統合
これはいつもこと。特に文は就任時からずっと、これをやっている。文は本来これら2つの等号を複合化することで、より強固な等号を作ることが可能だったはずである。
五輪=日本に勝つ=国威発揚・ナショナリズムの高揚=国民の統合
(日本に勝つは直接対決は言うまでもないが、競技ごとの上位成績もあり)
文はこの等号を目指すべきだった。ところが目指し方を間違えた。
五輪=反日施策=国威発揚・ナショナリズムの高揚=国民の統合
こちらにしてしまった。竹島入り地図にクレームを付け、選手村の食事を問題視し、選手に「放射能フリー弁当」と称する貧弱な弁当を配った。何となく成功のように思われるが、反日施策だけでは国民は当然満足しない。日本に勝つことが必要なのだ。しかし、柔道で勝てず、卓球で勝てず、野球で勝てず。日本など相手にもしていなかったテコンドーで金メダルなし(成果は予選リーグで日本を破り4位になった女子バレーボールくらいか)。
文は「スポーツ外交」には執着を見せた。今回の東京五輪も菅首相との首脳会談を目指し来日したがっていた(実現しなかったが)。その思惑は平昌五輪に見ることができる。
北朝鮮と話をしたいがため、女子アイスホッケーチームに極端に力の劣る北朝鮮選手を半数入れる合同チームと称するものを作った。そこには努力を重ねてきた自国選手への敬意などなく、政治の道具として使ってしまった。北朝鮮との対話はできたかもしれないが、国内スポーツ選手の反感を買った(東京五輪でも合同チームをと言っていたが、北朝鮮が早々に不参加を決めてしまった)。
スポーツ力を向上・強化することの帰結は「右翼・保守の台頭」と考える左翼政権からすれば、そんなことはあってはならない。つまりは、今回の東京五輪の韓国の成績は当然の結果だと言える。
元々韓国のスポーツ力は財閥に支えられてきた。財閥の支援なくしてスポーツ力の向上はない。ところが文政権になると、サムスンの副会長が逮捕された。これは朴槿恵政権時の崔順実事件の余波だが、これで財閥はおいそれとカネを出せない状況となった。
財閥を締め上げる左翼的な経済政策が進んでいることを考えれば、韓国のスポーツ力の浮上は暗いと言うほかない。保守に政権が移っても、財閥が萎縮状態では同じかな。
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