朝日新聞5月15日の社説「沖縄復帰49年 アメとムチは通じない」は、沖縄を出しに使った悪質な菅首相批判・政府批判でしかない。沖縄にも失礼なものだ。

沖縄が日本に復帰して今年で49年。沖縄の現状(問題点など)分析や今後の課題・目標・在り方などを提起するのが本来の記事(社説)だと思う。しかし朝日はそんな論調をする気は、まったくないのだ。朝日が書きたいのは政府批判のみ。

冒頭でコロナ禍で沖縄の失業率が他都道府県より高いと書くが、以降経済対策について社説内で語られることはない。何を朝日は書くかと言うと「辺野古ノー」。

以後、ダラダラと思いつく政府批判を繰り返すだけの、どうしようもないほどの駄文だ。そこには沖縄のことなど、実は何一つ考えていない朝日論説委員の姿が見える。

素人のオレでさえ沖縄の問題点らしきものは思い浮かぶ。140万県民の内、120万人が本島の中南部に集中している。離島が多く、南北400km東西1000kmに及ぶ。また、第三次産業(観光・サービス業)比率が高く、第二次産業(製造業)の比率が極めて低い、等々。

もちろん、米軍基地の存在(米軍専用施設の75%)も抜きには語れない。

沖縄の未来像を描くには、地理的な面・人口分布・産業構成比なども踏まえ、総合的に考えなくてはいけないことだ。観光産業を中心にするとしても、それ一本で良いわけはない。経済発展(成長)には製造業の誘致などが必要だが、地理的な面(本土経済圏から遠い)から言うは易いでしかない。

そう言う中で、沖縄の振興と基地問題をどうリンクさせるのか? 安全保障の問題でもあり難しいところだ。ただ、沖縄の問題が米軍基地関係だけではないことは明らかだ。

そういう分析(と言うか現状認識)から、それぞれのメディアが思い描く沖縄の未来像のための提案をするのが、復帰49年目の日に書く社説ではないのか?

朝日が米軍基地のない沖縄を思い描くのなら、それはそれで構わない。しかし米軍基地がなくなれば、沖縄の未来が明るくなるのか? 一足飛びにそうならなくても、朝日なりに道筋が見えているのか? しかし社説では何も語られていない。まあ語れないんだろうが。

結局は、朝日は沖縄を出しに使い政府批判社説を書いただけなのだ。悪質である。