朝日新聞(デジタル)に「夫婦別姓など求める国連の文書、外務省が2年以上放置」と題する記事が載った(3月23日、署名杉原里美)。内容は国連の女子差別撤廃委員会が日本政府に送った文書を、外務省が2年以上も放置していたというもの。
この記事の大筋(外務省が放置)は事実なのでいいのだが、記事中に少しづつ「朝日のウソ」が潜り込まされており、実は非常に悪質な記事になっている。
まず記事タイトルの「夫婦別姓を求める国連の文書」。記事中には「選択的夫婦別姓の法改正を勧告され」とある。しかし、内閣府が公表している国連文書(英文)を読む限り、「夫婦別姓」「選択的夫婦別姓」などとの記載は見つけられない。
これを言ってるのかもと思われる部分には「女性が旧姓を維持できるようにするために、夫婦の名前の選択に関する法律の改正」とある。
国連の女子差別撤廃委員会と外務省の過去のやりとりをすべて把握している訳ではもちろんないので、上記の国連文書中の文言が勧告のすべてではないかもしれない。しかし朝日が言う国連文書に「夫婦別姓」や「選択的夫婦別姓」を勧告しているなどとは、明らかに書かれていない。
現行法でも「女性が旧姓を維持する」のは可能である。とは言え、現実は多くが夫(男性)の姓(苗字)を選択しているのは事実だ。だから国連の勧告に結びついているのだろう。これは否定しない。
だからと言って、「女性の旧姓維持」を自社見解に都合良く「夫婦別姓」「選択的夫婦別姓」などと置き換えて良いわけではない。旧姓維持方法には各種の方法論があるからだ。諸外国の実例を見れば10種類以上ある。
つまりは、日本が「女性の旧姓を維持する方法」を決めるにしても、朝日が言うような「(選択も含めた)夫婦別姓」だけが選択肢ではない。もちろん、現行通り(夫婦同姓、夫・妻どちらの姓も可)もあるだろう。この辺は世論や国会審議状況に左右されることだ。
実はこの記事で一番問題なのは、筆者の杉原は国連文書の意味を把握していることだ(記事を書くのだから当然だけど)。記事中に「国連は女性が旧姓を維持できる法改正などを勧告」と、しれっと書いているのだ。にもかかわらず「夫婦別姓を求める国連の文書」とタイトルを付け、「選択的夫婦別姓の法改正を勧告され」などと記事中に書く悪質さ(タイトルを付けたのはデスクかもしれないが)。
記事は「国連文書を外務省が放置していた」というストレートニュースに、朝日見解(思想と言ってもいい)を潜り込ませた「ウソ記事」だと言うこと。あたかも国連(女子差別撤廃委員会)が日本に「夫婦別姓」を要求しているように「印象操作」したかったんだろう。
それにしても、なぜ朝日は事実を事実として書いて、判断を読者に委ねないのか? なぜ自分らの意図する方向へ誘導しようとするのか?
朝日は過去から数多くの捏造を繰り返し、現在も捏造・ウソ記事・印象操作記事を連発する。当然、情報化社会(IT・SNSの進展)の現在、捏造・ウソはすぐにばれる。本当に懲りない連中だ。
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