日本でも2月17日から医療従事者を優先してワクチン接種が開始された。ワクチンはアメリカ・ファイザーとドイツ・ビオンテックが共同開発した「コミナティ」である。

ワクチンには複数のタイプがあり、「メッセンジャーRNAタイプ」「ウイルスベクタータイプ」「不活性タイプ」などがある(詳細は省く)。日本で接種が始まった「コミナティ」は「メッセンジャーRNAタイプ」である。

そんな中、中国企業2社(シノヴァク、シノファーム)が開発した「不活性タイプ」のワクチンの評判が芳しくない。

中国2社のワクチンは、臨床試験(治験)に関する情報が一切共有されていないため、有効性は不明だと警告されてきた。さらには「メッセンジャーRNAタイプ」の有効性が95%と高いのに対し、中国製ワクチンはその有効性が50%程度に過ぎないことが分かってきている。これはWHOが提示したワクチン使用の最低基準である。

しかし、中国のワクチン外交の成果(?)なのか、東南アジアや中南米諸国で中国製ワクチンが承認され接種も始まっている。朝日新聞も南米チリのワクチン接種状況などを記事にしている。

「接種世界一なのに感染拡大のチリ ワクチンが遠因?」(3月20日)。署名は岡田玄。すでに国民の25%以上(500万人)が1回目の接種を終えた「ワクチン先進国」であるチリで、新規感染者の高止まりが続いているというもの。

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写真は中国・新華社に掲載された「中国製ワクチンを接種するチリのピニェラ大統領」。

朝日が「ワクチン先進国」と書くチリは中国製ワクチンを購入しているのだ。なので「ワクチンが遠因?」との見出しは、中国製ワクチンが「効いていない」との内容なのかと思えば・・・。

朝日はワクチン接種が進んでいるのに新規感染者が高止まりなのは「ワクチン接種が人々の気の緩みに拍車をかけた」「まだ2回目の接種ができていない人がほとんどだ」からだと言う。そうだろうか?

もちろん、朝日の言うような一面もあるだろうが、先に書いたように中国製ワクチンが「効いてない」からではないのか? との見方もできる。傍証は大いにある。

同様に「ワクチン先進国」であるアメリカも、2月末までに65歳を超える国民のほぼ半数が、少なくとも1回の接種を受けたとされる。その結果、アメリカの新規感染者は急減している。アメリカ厚生省によると、国内の入院者数は1月中旬のピークから56%減少したという。また、アメリカ疾病対策センター(CDC)によれば、入院者数はこの1ヶ月で72%減少したという。

同じ1回の接種時のデータなのに、チリとアメリカのデータが大きく異なるのはなぜなのか? 中国製ワクチンが「効いていない」という間接的なデータではないのか? 朝日はこういう見方を絶対にしない。中国製ワクチンが「効かない」、もしくは有効性が50%程度しかないなどとは絶対に書かない。

朝日は日ごろから偉そうに「複眼的にものを見よ」と書く。しかし、中国に関しては単眼的(一方的)な見方しかしない。それも中国様がお怒りにならないような見方だ。朝日は中国に対しては、あからさまに媚びる。卑屈なまでに媚びる。惨めなほどに媚びる。

そんな朝日にまともな記事が載るわけがない。

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