朝日新聞の「取材考記」というコラムに、実に朝日らしい記事が載った。「ストロング系缶チューハイ飲み過ぎ注意 依存症のリスク、メーカーは対策を」。筆者は若井琢水。東京経済部の記者とある。

内容は「ストロング系」と言われるアルコール度数7%以上の缶酎ハイの売れ行きが良い。しかしアルコール依存症との関係が指摘される。それなのにメーカーの取り組みが不十分だ、というもの。

このコラムの何が朝日らしいかと言うと、典型的な「イメージ論から勝手に悪者を作り上げ、自ら正義を気取り叩く記事」だからだ。

「アルコール依存症との関係が指摘される」と書きながら、若井は何のデータも示さない。強いて言えば、国立精神・神経医療研究センターの人間の「依存症の入り口が広がった」との個人的意見と、厚労省の「節度ある適度な飲酒量」が1日平均で純アルコール20グラム程度(度数7%の350ミリリットル缶1本分)だと言うこと。

こんな私見や抽象論で、どう思考すると「ストロング系=依存症(の入口)」になるのか? 因果関係など無視の暴論でしかない。「ストロング系」(含む飲料メーカー)が朝日から見て、かっこうの悪者に化けた瞬間である。

そして若井は自ら正義を気取り「思い切ってストロング系の500ミリ缶の販売をやめてみてはどうか」と、メーカーに上から目線で「助言」する。そこには具体的データなど関係なし。朝日的論理で「ストロング系=依存症」が出来上がっている。

当然、アルコール飲料を販売するメーカーには、その販売に際し節度が求められることは否定しない。しかし、それは過剰で煽るようなCMなどを用いた販売方法が戒められるのであって、「売るな」はないだろう。

飲む側(つまり購入者)の問題とメーカーの責任とを意図的に混同し、メーカーを悪者的に仕立て上げて叩く。そして朝日(若井)がそれを正す正義のごとく書いているだけ。本来なら購入者側の問題を、売る側(メーカー)でどうにかしろと言い出したら経済活動にならない。「売ってるから悪いんだ」って、小学生じゃあるまいし(苦笑)。

朝日はウソ記事・捏造記事を、当たり前のように購入者に押しつけて恥じない新聞だ。では朝日記者として、そんなものを売っている側の責任(対策)をどう考えているのか聞いてみたいくらいだ。